2
投稿遅くなってしまいました…。
ちょっと体調がやばかったのです。申し訳ありませんでした。
「申し遅れました。私はリヴァーレント・シンディアと言います。至高の魔女の召使いです」
まぁ、魔女様が亡くなってしまったので、正確には元召使い…ですが。
「…至高の魔女の?わたくしは…いえ、私はアメリアよ。ローゼン家の長女だったけれど、お父様に勘当されたから」
「こんな物騒な場所にですか」
父親と言い、次女と言い、ローゼン家はろくな事しませんね…。
「そうね…この子の父親が平民だったのが、お父様の癇に障ったのよ」
そう言って、アメリアは大事そうにお腹を擦った。
「勘当されたのは仕方がないと思ってるわ。権力至上主義のお父様が、平民との子を産むなんて許すはずないもの。でも…だからって、こんな場所に転移させなくても良いじゃない…。私は家を出ていくつもりだったのよ!ローゼンの名前なんか要らなかった!この子と二人で生きていければ、何もっ…!!」
お腹の子の父親は、事故で亡くなったらしい。ローゼンの名前を捨て、平民になる覚悟をして、父親にお腹の子の事を打ち明けた途端に、『穢れた娘など要らない』と言われ、問答無用で此処に転移させられたそうだ。
一晩中結界を張って隠れていたが、魔力切れで結界が消え、ジャイアントオークに見つかり、先程の悲鳴に繋がる訳で。
「取り敢えず、此処から移動しましょうか。ちょっと臭いが耐えられないので」
「え?でも、外にはまだジャイアントオークが…」
アメリアは不安そうな表情で、思案している。ジャイアントオークに、また遭遇するかも知れない事が、怖いのかもしれない。でも、心身ともに衛生上、これ以上此処に居たくないんです。
「此処にいても、状況は変わりませんし。一か八か試してみるのも有りかと」
「………そうね」
アメリアは決心したように、ゆっくりと…だが、しっかりと立ち上がった。
アメリア的には、本当に一か八かの賭けに出たつもりであった。
僅かな可能性に縋り付く思いで、ジャイアントオークの巣穴から出た。ジャイアントオークに見付からないように、こっそり忍びなから、逃げるのだと思っていた。
奴らは匂いに敏感だから、見付からない可能性なんて、皆無に等しいと分かっていた。僅かな可能性なんて、現実逃避も良いところだ。自分よりも幼い少女の後ろを、何も考えずに歩く。本当に藁にも縋る気持ちだった。の、だが…
それがどうだろう。目の前の光景に、アメリアは軽く目眩を覚えた。これは夢なのかしら?と、本当に現実逃避した。
ジャイアントオークには直ぐに見付かってしまった。彼女が隠れもしなければ、逃げもせずに堂々と歩いていた為だ。案の定、ジャイアントオークは此方に襲い掛かってきた。
「邪魔です」
そんな一言を忌々しげに呟いたリヴが、火力過多な魔法で塵も残さず消し飛ばしてしまった。
単体討伐でAランク、一群討伐でSランク、巣の駆除ともなれば、SSランクのジャイアントオークを、一撃で。
投稿ペースはかなりスローになると思われます。
リハビリになるので、書くことは止めませんよ!
ちまちま更新していきます!