その後
例の勇者はなんだかんだ有ったらしくこの地を離れて行った。
これで一安心ではあるが、一つ困った事が出来た。
今間まで通りの生活をしていると、万が一でも勇者の出戻りもありうるのだ。
そこのあたりを親方やら、に相談したところ宿屋でも経営して町の中心部から離れて暮らしてはどうかという事であった。
料理自体も通い詰めて習得した技術で客に出せるレベルとお墨付きをもらい、さらにはダンジョンが50層を攻略してもなお下が有るらしいことで冒険者その他ににとっての宿屋が必要になってきたからである。
鍛冶方の親方は、話が出た時点で大変ヘ菜張り切りようで立派なものを作ると豪語して、他の仕事を若集にまかせて陣頭指揮をとるようだ。
宿自体も町から少し離れた不便な所もあって常連客が付けばそれだけでやっていけそうではある。今現在も錬金術師やら神獣を騙る犬やら、神出鬼没の自宅警備員が出入りしているのであしらい方はなんとかなりそうだ。
なにはともあれあまり考えることなく流されるだけ流されて決定事項になったようだ。
冒険者ギルドからも、そのあたりが原因で揉めもごと起きていたのでなかなか協力的である。
出来上がってはいないが広告を掲示板に張り出してもらっている。
とは言え、一人でも回らないので開店を控えて幾人かの従業員を募った。
結果やって行けるだけの人数は確保できそうで安心である。
今だに実感はわかないのだが、少しは楽な生活を楽しみたいものだ。




