酒場の常連
今日も今日とて酒場でアルバイトである。
ダンジョン好景気によって忙しくになるにつれ給与は徐々に上がってきた。
まあその分忙しいのだが。
店には常連のお客と合わせて新規のお客が来る。現在攻略中の最下層での一攫千金を求めて来る人間が多いのだが、冒険者の後に(仮)が着くような人も多い様で腕自慢で来てはダンジョンに呑まれた行くので入れ替わりが激しい。
単純に試してみて、無理だとだと諦めて人もいそうだけど。
食事だけであれば、宿でも簡単な物が出たりするけどやっぱりこの店の方が種類が豊富で好きな物が食べれる。ダンジョンで稼いで、派手に飲み代に使うと言う生き方が大半な様で客足が途絶えると言ったことが無い。
もう少し、村の規模が多くなれば競合店が出てくるかもなのだが今の所はそこまでいかない。町の方に拠点を持ってる人もいるからという事もあるのかな。
常連と言うと、警備員が最近顔を出すようになっていた。
本人曰く幼女が給仕する姿を見る為に最近はダンジョンにも潜っているとの事。本当になんだこいつは、早くダンジョンの肥やしにならないものか。
普通に稼げるらしいのに、家の方に飯を集りに来るので迷惑である。材料を提供するので今だ食事は出すのだが。
顔を覚える前に来なくなる客もいるのがちょっと寂しくもあるが、冒険者稼業とはそんなものだと知っているのでほどほど心の折り合いもつけている。
いつも来ていた常連がぱたりと来なくなるなんて、よくある話なのだから。
それでもこの店の常連連中はかなりしぶとい部類に入るようで、間を置く事はあっても今の所来なくなった者は居ない。中堅と言えるぐらいは実力が有る様だ。稼ぎもよく、飲み食いを盛大にしてくれるお得意様である。よきかな良きかな。
まあ、常連ほど馴れ馴れしく接してきて軽度のからかいを毎度してきたりするのだが慣れるとそれもまた良い物だ?いや、良くは無いが...。良くは無いんだがなんとなく邪険にもできないというかなんというか。
こういうやり取りが楽しくて常連をやっていたりするのだろうか。
おもはゆいと思うんだろうな。




