新しい同居人
警備員はさっさと帰ってしまったのだが。
「まずは名前を決めようか、流石にあの名前は無いからな」
「ウォン!!」
名前か、正直いい名前を考えるほどセンスが無いのだがどうしたものか。
狼で毛並みは銀色か、シルバーウルフだろうからそのあたりからもじるか。
「ルルフ」
「ウー」
首を横に振られた、嫌なようだ。
「シルフ」
「ウー」
これも駄目なようだ、まあ風精霊の名称だしな。
「シバフ」
「ウー」
駄目か、
「それじゃシルク」
「ウーウォン」
今度は少し悩んだようだが頷いた、シルクに決定でいいだろう。まあ毛並みも上等だしシルクの触り心地も実現できるだろう。
「ではシルク、家のルールだが......まあ特には無いか」
「ウォン」
「家で預かる対価は警備員から巻き上げるからな、この敷地内なら好きにしていい」
「ウォン」
「寝泊りは一応家の中に寝床を用意するけど、過ごしやすい場所があれば勝手に使ってくれてもいいよ」
「ウォン」
「あとは、そうだな。こっちついてきて」
恐らく会話は成立してるのだろう、シルクは返事だけだが。敷地内の畑区画に連れていく。
「ここが畑になるから、ここは荒らさないように。荒らしたら一日逆さ吊りにするから」
「キャウン」
なにやら返事が上ずったような?まあいいか。
「あとはー、料理とか食べれるのかな?肉以外とか」
シルクは私の問いにしっかり頷いた。この子狼本当は、喋れるんじゃなかろうかと。
むしろ喋れたら楽そうだ。
「まあどうしても食べれないものは残してもいいけど、それ以外は基本食べるように」
「ウォン」
「あとは、同居人が一人居るからそっちも襲わない様に」
「ウォン?」
まあどこまで解っているか不明だが、説明は終わりだな。
家に戻って寝床を考えるとしよう。
家に戻ってから中を案内する、一通り見せてどこがいいか聞いてみると居間の暖炉前付近に寝そべった。
今の所直に床へ寝そべっているので、なにか敷物でも買って来よう。ついでに毛並みを整える用にブラシも買わねばなるまい。もっふもふにせねばならない!!
「さて、後は...そうだな。シルフ、食材見せるから食べれ無い物があったら教えて」
「ウォン」
良い返事だ、それじゃあ冷蔵倉庫に行きますか。
家を出て冷蔵倉庫に行き、保管してる食材を一つ一つ見せていく。家に保存してる食材で食べれないものは今の所なさそうだ。
まあ調理次第で苦手なものは出るかもしれないけど。
新しい住人に説明は大体案内が終わったのだが、後はどうするか。
スフィアさんも夕食までは工房に籠ったままだろうし、彫刻造りでもしていようか。
「シルクは好きにしてていいから」
「ウォン」
シルクは取り敢えず休む様だ、俯せになったまま目を閉じた。
初めてくる場所でなんとも堂々としたものだ。悪く言いうと能天気すぎる。
野生とはなんだったのか、疑問だ。
まあ手が掛かり過ぎるよりはいいんだが。
私は作業部屋に移動して、一昨日から手掛けている目玉に取り掛かる。
なぜ目玉なのかというと、害鳥除けだ。
警備員に教わったのだが、目玉を模したものを吊るしておくと撃退効果があるらしい。
他には人型を模した案山子なども効果があるらしいが、大物になりそうだったし正直邪魔だと思ったので木彫りの目玉にした。
しかし目玉の政策は結構難しい。球体に加工するのもそうなのだが、瞳の部分がなかなかうまくできない。細かい作業もそうなのだが表現的に思ったようにいかないのだ。彫刻自体の大きさも目立つように大きくしているのも加工が困難な理由だろうか。
まあ今まで全く作った事のないものだから仕方がないのだろう。目玉を精密に再現するのは難しいのだ。
目玉だけというのは基本見ないものだし、どういうものかは昔医学書で見たきりだからな。
まあこれだけグロければ魔除けにも使えそうだ。
だんだんと仕上がっていくそれを手にそんな事を思う。
着色もして、雨で色落ちしない様に最終加工までしないといけないが、彫りの部分を完成させるだけでもまだまだ時間が掛かりそうだ。
実際に魔除けの機能があればダンジョン用に売り出せないものかと思案するがデザイン的に売れないかもしれないな。
目玉のアクセサリーとか猟奇的だ。邪神教とか死霊使いとか不死者あたりだと似合いそうだが、この界隈では売れないかな。
警備員曰く土産物としては、一度譲った事のある猫が魚を咥えた木彫りの置物がいいんじゃないかといっていた。確かに可愛いものは人気が出そうだが、観光地でもないと土産物はなかなか定期的な売り上げが出せ無さそうだ。
そんなこんな考えながら作業をしていると夕暮れ時になったのでご飯の準備に移ることにした。
シルクは作業前に見た時から動いていいない様で確認した時にも耳が少し動いだだけだった。
スフィアさんとシルクとの邂逅は問題なく?済んだ。
スフィアさんはもふもふね~といって微笑んでた。
シルクも物理的脅威を感じなかったようで、一瞥してそのまま寝そべっていた。
新しい同居人は特に問題なく受け入れら他のであった。




