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ダンジョンが出来ましたという報告

 頑張って走っただけあって、結構早く町に着いた気がする。

 汗だらだらで、服もべとべとするが走り切った!!息も荒いから、門にいた衛兵のおにーさんにかなり心配された。さらに、これで汗を拭きなさいと布を渡され水も飲ませてもらった。

 ふう、一息ついた!!


 何やら門にいた衛兵のおにーさんは、顔を赤い気がしたが警備員と同種の変態要素があるのだろうか。いやいや、私のあふれ出る魅力が悪いに違いない。うむそうだ。


 それはさておき、要約息が整ったので重要な案件を伝えねばならない。


「森に、ダンジョンが出来たんです」


「ダンジョン?森に??」


「そう、ダンジョンだよ。規模は最低でも2層で、1層には魔物はいなかったみたい」


「見間違いじゃないのか?」


「天然洞窟じゃなかったのは確か。知り合いが中を1層までは確認したのと昨日までは無かったと言ってたから信じられないような話だけど事実」


「しかし、兆候があったなんて話は聞いていないが」


 まあ信じられないわな、確かに常識的には事前兆候があるわけだし。この目で見て無ければ私も冗談だと思う。


「あれが真実ダンジョンかどうかは判断できないが、住民の義務として報告はした。疑わしいとは思うけど、確認だけはしてほしい」


「う~ん、解った。調査をどうするかは上が決める事だが報告にはいくよ。お嬢ちゃんはそのダンジョンの場所は解るのかい?」


「見てきましたから案内できますよ」


「なら少し待ってもらえるか」


 そう言って、門に居る他の衛兵へ駆けていった。なにやら話していて、少ししてから戻ってきた。

 しかし、もう少しドワーフのらしい体型してたら信憑性が上がるんだろうか。平均的なドワーフよりもさらに低い背丈が怨めしい。


「それじゃあ、上に報告にいくから付いてきてくれるかい?」


「わかりました」


 こっちだという事で門をくぐって付いていく。最初は冗談かと思っていたようなので相手にされないかと思ったが、真面目に対応してくれるようだ。なかなかいい人なのか?


 衛兵に同道して近くの詰所に到着する。まあ入口の待機所で待たされるのだが。

待たされること暫く、5人程連れて戻ってきた。


「馬車を手配して来い、灯も忘れるなよ」


 指揮を執っているのは中年のおじさんだ。ナイスミドルといった感じで、しっかり鍛えている身体つきだ。ドワーフの樽体型に勝るとも劣らない魅力に溢れている。

 渋い魅力とでも言ったところだろうか、悪くない。


「お嬢さんが情報提供者か、準備が整い次第出発するのでもう暫く待っていてほしい」


「わかりました」


 支持を出してる様子から、纏め役なんだろうなと勝手に推察してみた。暫くして馬車が詰所にやってきた。それに合わせて武装をした衛兵が荷物を数個積み込んでいた。衛兵とは違う装備の人が一人混じっていた。


「準備が出来たな、出発するぞ」


 こちらにも乗るように支持が来たので、馬車に乗り込んだ。帰り道は歩かなくて済むようなので楽だな。

とそう思っていたのだが、実際は走った方が良かっただろう。

 基本整備されているわけではない道を馬車で、しかも急いで走った為後ろの荷台部分はかなり揺れた。座席もあるにはるが所々で跳ねるので、お尻が痛くなった。私はちょっと泣きそうになるのだが、他の面々は平気そうなので勘弁してくれとも言えず堪えるしかなかった。

 要約森までたどり着いた時には、ふらふらしてた気がする。大丈夫かと問われた大丈夫な訳なかったが、なんとかと答えておいた。


「と、とりあえずここからは馬車では入り込めないので歩きです。といってもそう離れてないので直ぐつくと思いますが」


「わかった。バッソ、お前はここに残って馬車を見て居ろ。他の者は荷物を分散して持て」


手早く支持を出しそのまま直ぐに出発した。森の中は多少歩きにくかったが、問題なく目的の場所まで到着した。朝別れた時と同じく警備員がそこで待っていた。


「ここがそうか、見た目は洞窟の様だが」


そう言って中程まで入っていく。


「確かにダンジョンの可能性が高いな。どうだヴァルフさん?」


ナイスミドルは、衛兵とは別の装備をした人に確認を取った。


「古代遺跡とかで無ければダンジョンで間違いなさそうだが、あとは潜って見ないとなんとも言えないな」


「そうか、このまま下目指すか?」


「まずは一層を見て、モンスターを確認できるまでは潜って見るさ」


「解った、俺ともう一人連れて潜ろう。危険があるか、ある程度時間を見て引き上げるとしよう」


 それだけ言い、また支持を出してすぐさま穴の中に入っていった。

 私はそれを見送ったあと待っていた警備員に声を掛けた。


「大丈夫かな?」


「1層は俺も見たが特に何もないし狭い、2層も特に嫌な予感もしなかったからな。あの面子なら問題はないだろう。ただなん階層まであるかはダンジョン次第だ、普通のダンジョンとはまた違った感じはする」


「そんな事が解るのか?」


「称号による森への違和感があるのと、まあ経験からだな」


 感がいいというのと似たようなものだろうか。

 兎に角これで義務は果たせたから、後の事は任せてこのダンジョンが危険度の低い物である事を祈るとしよう。

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