1/52
森の中のドワーフ
ドワーフの朝は遅い。
日が昇ると共に目は覚めるがまだ眠いので布団へ再度潜り込む。
二度寝から目覚めると顔を洗って寝癖を直す。
面倒くさがりの癖にロングヘアーのままである。
昨日の夕食と同じスープを温め乾いて固くなったパンと一緒に胃に流し込む。
そうして意識が浮上してきたところで、仕事に出発である。
斧を手に木を伐採する。
週に一回川で町まで運ぶ。
昼過ぎには仕事を終えて遅めの昼食を摂る。
家に戻り裏庭兼菜園の手入れを軽くして、夕方まで木工細工を作る。
日が傾いたら食事を作って寝る。
そんな何気ない日常を過ごすドワーフ。
それが私、アルシェ・ロムである。