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つぎはぎ揚羽蝶
闇の中を蝶が舞う
ひらりひらりと鮮やかに
其を見たものは誘われる
ゆらりゆらりと熱に浮かされ
闇に浮かび上がる一匹の蝶は
いろんなものを惑わせ魅了し
それらを引きつれ彼の地へ向かう
いつのまにやらそれらは消えて
後には光る蝶が佇む
ひらりひらりと衣をなびかせ
人を誘う蝶が一人
其がかしずくは蜘蛛の王
王は糸に手をはわせ
それに捕えたものを見やると
蝶に近づき片膝ついて
其の唇を優しく塞ぐ
蝶は一時艶やかに笑い
王に再度頭をたれると
その身を再び虫へ変え
闇の中へと飛び立った
ひらりひらりと蝶が舞う
其を見たものを引きつれて
恋した蜘蛛に捧げるための
餌にせんとするために