時の魔紋
「さて、魔法伝授は終わりましたので、次は魔紋の使い方です。」ハーティ公爵は淡々と進めるが…俺は体に違和感を感じていた。運動した訳では無いのに息が上がり、体が重く感じる…
』「魔紋の使い方はシンプルです。魔紋のある箇所に意識を集中させ、念じれば良いだけです。しかし魔紋自体がオンリーワンなので、何を念じるかは人それぞれで全く異なります。なので、とりあえず念じて見てください。」
「…分かりました。」(何にも分かってない!何かを念じる事しか分かんないわ!)
(ん〜時の魔紋だろ?じゃあ時間に関する魔法ってことだよな?なら定番のネタがあるな!)
俺は右手を構えて「世界の時間よ……止まれー!」
魔紋が光った!
「出来たのか?」
周りを見るとみんな全く動かない!そして音が全くしない!どんなに静かにしても人は生きている限り音がするものである。話声や足音は勿論、呼吸音すら聞こえない。
俺はベタだが、ハーティ公爵の目の前で手を降った。
「…………………」反応無し!
外を見ると木が風に揺られた状態で不自然に止まっている。更に飛んだ葉っぱが空中で停止している。
「おお!正に俺のザ・ワールド!」しかも既に2分ぐらい経っている。これは、某吸血鬼でもビックリの時間停止だ!
しかし…段々と体がしんどくなってきた!
「あれ?ヤバいな…時間よ…動け!」
次の瞬間俺は、立ちくらみをして倒れてしまった。
「どうしました!時尾様ー!!」
「ルフェル!早く治療を!」
ハーティ公爵とウリエールは俺の体を起こし、ルフェルが治癒魔法を使った。
「…………これは……魔法の使い過ぎですね。」ルフェルの診察が終わった。