絶望と希望
話をするために、談話室に移動した。
ここは、外国のお城のようだ。先程まで居たのは地下室だった。
間をおいて冷静になった。そして俺は……
落胆した、悲観した、自棄になった。つまり…
絶望した!
(桜を…助けてやれなかった…のか…)
カチャッ! メイドさんが目の前に紅茶を出してくれた。「どうぞ。」
「こちらはカモミールのハーブティーです。心が落ち着くと思います。」エリザベティス2世が説明してくれた。
(紅茶じゃなくてハーブティーか…心を落ち着けろってことか?)
動揺して落胆してる俺を気遣って出したようだ。
(……良い…香りだ!)部屋が安らぎの香りに溢れる
俺は、一口だけハーブティーを頂いた。
エリザベティス2世は少し笑って話始めた。
「まずは、このような形でお呼びしてしまった事を謝罪します。」また頭を下げた。
「この国は…いえ、この世界は深刻な危機に瀕しています。それは、エネルギーの枯渇です。」
(…正直、この世界の事情に興味が無いのだが…)
何の反応も返事もしない俺を尻目に、エリザベティス2世は話を続けた。
「この世界には、魔法と言うものが存在します。私達は知恵と魔法の力で文明を発展させてしてきました。文明は発展し続け、これを魔科学と言います。魔科学が発達したことで生まれたのが魔機と言う魔力を使って動く機械です。この魔機のおかげで人々の暮らしはとても豊かになりました。」
「ですが、増えすぎた魔機を動かすのに人が扱う魔力たけでは足りなくなってきました。そんな時に現れたのが時の賢者<クロノス>様です。その方は、賢者の石と呼ばれる魔法の石を授けて下さりました。その石のおかげでエネルギー問題は解決しました。それが今から100年前の話です。」(また続けくのか…)
「100年たった賢者の石は…とても小さくなってしまい、後数年で消えてしまいます。このままでは、またエネルギーの不足により世界各地で戦争が起こるでしょう!」
(なるほど。資源争いになる訳か。)
「その前にどうか!クロノス様、貴方のお力を御貸しいただけないでしょうか?」
(長い話は終わったらしい…)
[建前]「と…言われましても、具体的にどうすれば?」
[本音](俺の世界にどうやって帰れるんだろ…)もはや違う事を考えている!
「文献によりますと、クロノス様は幾つもの時代に現れて、偉業を成しています。その時に手を持っているのが賢者の石と呼ばれる魔法の石です。」
(俺の他にも賢者居るんじゃん!その人達に頼ったら良いのに…)
「つまり…賢者の石を作って欲しいと?」俺は、はが○の錬金術師じゃねぇけどな…身長高いし!
「その通りです。」
エリザベティス2世がはっきりと言った。
「賢者の石がどうやって創られたのか…私達は存じ上げません。それが分かる解るのはクロノス様だけです。」
(ヒントが無さすぎる…)
「賢者の石ってどのようなモノなのですか?」一応聞いてみる。
エリザベティス2世は少し考えた後、説明した。
「賢者石は…そうですね……見た目は宝石のような感じです。魔法の力を増幅させるのが主な機能みたいです。火、水、土、風、闇、光…6種類それぞれの賢者の石があるようです。」
「えー……例えば、火の石を使えば、物凄い大火炎になり…光の石を使えば瀕死の重症や病気も治ったり…」
「それは本当ですか!??」食い込みに叫んでしまった。
「は、はい…文献にはそのような記述もあります…」エリザベティス2世を驚かせてしまった…反省
この瞬間!俺の心には火が灯った。
(もし、光の石を使って桜を治せるなら…)
「やります!賢者の石を作ります!」(やってやる!絶対に賢者の石を手に入れて桜を治す!!!)