俺が乙女ゲームの悪役公爵になったみたいけど、とりあえず死ねばいいのかな？

「ここは、お兄ちゃんが考えるうきうきハーレムみたいな甘っちょろい世界じゃない」
　大学生の早乙女累（さおとめ るい）は、妹の美絵（みえ）と共に異世界（精神）転移に巻き込まれた。
鏡の前にはやたらイケメンな男（俺）とピンク髪の美少女（妹）。見るからに金持ちそうな豪邸に、美人の幼馴染。これから始まる魔法学園での生活……！異世界転移ガチャ大当たり！ここは天国か？そう思ったのは、最初だけだった。

　父上からの話を聞けば聞くほど、ウチの家系はどうにも闇が深い。その目的は、王子の暗殺と現政権の打倒。それも全ては、我がカースグレイヴ家が貴族の筆頭として返り咲くためだとか。勘の鋭い妹は、すぐに気が付いた。

「お兄ちゃん……ここ、悪役令嬢世界かも……！」
「で、俺は何をすればいいの？正ヒロインをオトせばいいの？」
「とりあえず……」

　――みんなのために、死んでおく？

　乙女ゲームの悪役公爵に転生した俺は、幼馴染の悪役令嬢と妹を救うことができるのか――！？
　正ヒロインにオトされず、現世に帰還することはできるのか――？