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十話

蘭丸の幸運は、脱出を急ぐ家康の後尾に追いついたことにあった。

――今剣が蘭丸を守ったのかもしれない


(お助けしよう)


千代の決心は一瞬で決まった。


顔から血の気が抜けた蒼白の美少年、森蘭丸は歳こそ18歳であるが、信長より5万石を拝領する城持ちの大名である。


常に信長の身辺に侍る近習筆頭の為、領地には城代を置き自身が領地に赴くことはない。


関白・近衛前久の使者を務める千代姫と信長の使者として朝廷に出入りする蘭丸は、歳も近く共に面識がある。


言葉をこそ交わさないが会えば会釈を欠かさない。


近くの寺院の僧に信長の遺体の埋葬を頼むと、すぐに民家の雨戸を外し蘭丸を横たえた。


「甲賀の里にお連れ致します。粗略あってはならぬ」


千代は配下に命じた。



……


信長の首級を上げることのできないままに天下人をめざした光秀であったが、秀吉が流した信長生存の噂も飛び交い疑心暗鬼に陥った大名達は、最早光秀に味方することは無かった。


朝廷も言を左右にして光秀の京都守護の勅を出し渋る間に、漁夫の利を得たのは羽柴秀吉であった。


大軍を率い京に攻め上り、主君の仇討を果たした。


敗れて京を落ち延びる途中、光秀は土民の槍に掛り落命した。

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