ノーマナーのジャイアントキラー 10,5前
主人公視点ではありません
とある洞窟での出来事
俺は取引相手から、一つの依頼を受けた
相手はフードを目深にかぶっていて顔は良く見えない
「ゼホー村で、子供をさらってほしい」
まあ物騒な依頼だが、この界隈なら珍しくない、
「報酬と、そのガキの特徴は?」
「黒髪黒目の男と、金髪で金銀のオッドアイだ、
年は5歳位で、その付近のガキはそいつらしか居ない、報酬は金貨2枚だ」
聞いた瞬間俺は、にやけそうになった、
しかし、交渉中は無表情でないと足元を見られる
「金貨2枚と銀貨2枚だ、それなら受けるぜ」
「じゃあそれでいい、交渉は成立だな」
たかだか、ガキを2匹さらうくらいで金貨2枚は破格である、
貨幣の単位は
石貨、鉄貨、銅貨、銀貨、金貨、大金貨、白金貨、
日本円に換算すると
石貨=10円
鉄貨=100円
銅貨=1000円
銀貨=1万円
金貨=10万円
大金貨=100万円
白金貨=1000万円
となっている、大金貨以上は、
商人や貴族が、大口の取引にしか使って居ないので、市場に流れている貨幣としては、金貨が最高の報酬となる、
この世界は、農家だけで生活している家庭だと
生涯で金貨1枚稼げるかどうかである
その金貨を、さらうだけで2枚も貰える、こんな美味しい話しはなかった、
(もっと行けたかもな)
銀貨2枚も上乗せさせたので、
交渉としては上出来だが、
即決されたのならもっと釣り上げても大丈夫だったかもしれない
そう考えていると
「これは、前金だ」
フードの男は麻の袋から金貨1枚取り出しテーブルに置いた、
金貨を拾い上げ、握手を求める
フードの男は一瞬躊躇ったが、てを握ってきた
すると、男の腕は毛むくじゃらだった
(獣人か?)
まあ、相手の事を探るのはこの界隈だとNGだ
「さらったら、使い魔に手紙を送らせる、
まあ無いと思うが、10日たっても連絡無かったら失敗したと思ってくれ」
「了解した」
フードの男は魔力を、使い魔に覚えさせると出て行った
俺は後ろ姿を見送ると、笑みを溢してしまう
「さあ、準備するぞオメーら」
そう言って部下に準備をさせた
(何て美味しい依頼なんだ)
このときは、あんなことになるとは思っても居なかった