ノーマナーのジャイアントキラー 10
なぜ、俺がこの人の前では、いい子になっているのかは、とある事件が原因の一つにある
それは1年前、俺が4歳の時のことである
俺がこの体に慣れて、ララと広場にいるときは、走りまわり体力や、木の枝を振り回して筋力と剣術の向上を図っていた、
ある日、ララに用事があり、広場に行けない時に事件が起こった
1日ずっと家に籠って、何も鍛練出来ない状況に、俺は焦っていた、だから俺は家を抜け出した、
ララが戻る前に帰ればいいと判断し広場に向かった、その途中で同い年の幼なじみのフィーネがついてきた、
フィーネは金髪にウェーブのかかった髪を肩まで伸ばして前髪はぱっつん、瞳は右が同じく金だが左は銀のオッドアイになっている、顔立ちは整っていて、
将来は美少女になるのだろうが、今はぼーっとしてかわいい顔が台無しである
「、、、」
フィーネは何も言わずに俺の後ろを着いてくる、
この村では、同年代が俺しか居ないので当然かも知れないが、俺に良くなついている、
見てくれは可愛いので、村人達から良く注目されて、自主練の邪魔になるときがあった、
なので、着いてくるなと言ったのだが
「ん~、ん~、やっ!」
首を振って、大声で拒否してきた
その大声のせいで村人達は俺に非難の目を向けてきた、
居たたまれなくなった俺は、
「あ~、邪魔しなければ付いてきても良いぞ」
フィーネはそれを聞いて、満面の笑みを見せてきた、
それからは着いてくる事に、拒否出来なくなってしまった
そんな事もあって、俺とフィーネが道を歩いていると、村では見慣れない男達3人が周りを囲んでいた、
「君たち、ちょっとお兄さん達と一緒に来てくれるかな?」
男達は薄汚れた服に、無精髭、所謂盗賊スタイルである、
「いや、母に知らない人に着いて行くなと教わって居るので、無理です」
「君のお母さんと、俺は知り合いだから大丈夫だよ」
盗賊スタイルの男は、まさかはっきりと拒絶されるとは思っていなかったのか、ひきつった顔をして、返答してきた、
(多分嘘だと思うが、確認はとらないといけないよね)
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盗賊A
年齢:32
職業:盗賊
スキル:火魔法、
気配察知、逃げ足
ポイント:1
弱点:単独戦闘、異常事態
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他の二人も同じ感じだった
やっぱり盗賊か、まあ知ってたけどな、
茶番に付き合ってやるかな
「そうなんですか?用事はどんな用事ですか?」
「まあ、付いてくればわかるから、こっちこっち」
素直に付いていった
人影が無い場所に着くと、男は振り替えってニヤリと笑った
「騙して御免ね~、俺ら盗賊なんだわ」
「知ってたよ」
そう言って俺は目の前の男に棒を突きつけた、男の目には、俺とフィーネしか映らない
「な?あいつらは?」
「途中で潰しといたよ」
俺は化け物でも見るような目で、顔を青くした男とは逆に、ニヤリと笑って見せた
「お前のような子供がどうやって」
「牢屋で考えれば?」
男は、その言葉を聞いて戦闘体制をとった、俺は右側から後ろに回り込んだ、
男はキョロキョロし始めたので、わざと隙を作って攻撃を誘っている
それにわざと乗っかって、上段から頭を叩く、
《パコン》
男は気を失った
隙はわざとじゃなかったらしい
(、、じゃあ帰るかな)
因みに俺のこのときのステータスは
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名前:ソラ
年齢:4
職業:無し
スキル:魔法体制1、
異世界翻訳、剣術2、体術1、速度上昇1、
透視1
ポイント:25
弱点:魔力適正無し、魔法禁止、呪い
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である、
子供にしては、強すぎると思う、
しかし、魔法が使えないと囲まれたときや距離が離れていた時は、絶望的である
なぜ、今回俺がこんな危ないことをしているかというと、理由は2つある、
一つめは実戦経験を詰むこと、スキル習得にはポイントだけでもいいが、体がついていかないとポイント消費が馬鹿にならない
2つめは小銭稼ぎだ、今現在俺が出来る金稼ぎは、
薬草採集、犯罪奴隷売却、
の2つの手段しかない、将来何かするにしても先立つものが無ければ何も出来ない、
まあ、切り札は3種類あったので、盗賊には負けない
そんなこんなで、この盗賊達を村の自警団に引き渡そうとしたら、そこには、ララが居た
ララは涙目で俺に近づいてくると、
《パンッ》
俺の頬をひっぱたいて強く抱き締めてきた
「心配かけないで、何処に行ってたの、
あなたが居なくなったら、私はどうしたらいいの」
ガチ泣きされた
俺が家を抜け出した後、すぐに戻ってきたらしい
そして、部屋に俺の姿はない、パニックになり自警団の所に来たということだった
「ごめんなさい」
俺は素直に謝った、こんなに俺のことを、心配してくれるひとは、前の世界では居なかった、何か心が痛かった、
「何か危ないことしなかった?」
少し迷ったが正直に言う
「ごめんなさい、ひとさらい討伐した」
ララも自警団も目を丸くしていた、
「今何て?聞き間違えかな?」
「ひとさらい討伐した」
自警団の男は冗談だと思ったのか苦笑した
「じゃあ、そいつの所に案内して貰えるかな?」
論より証拠なので、連れて行ったところ口をあんぐり開いて驚いていた
「こいつは有名な盗賊のボロスじゃないか!?どうやって倒したんだ!?」
結構有名だったらしい、
「不意打ちで、木の枝をパッコーンって」
自警団の男は目頭を押さえてた
「まあ、ボロス一人でさらいに、、」
「あ、あと二人あっちで転がってるよ」
その場に居る俺以外のみんなが、無表情になった
「ソラちゃ~ん?ソラちゃんはしっかり者よね~?、今後は危ないことは禁止よ~?」
にこりと笑ってララが言ってくれた
目が笑ってないけど!?
チョー怖いんですけど!?
「もし破ったら~、、、、シバくから」
「、、、はい」
すごく低音で言われて、本気で怖かった
この人は多分、本気でシバイてくると直感した
まあ対人戦を学べたし、もうやらないと思うから心配はいらないね、ニッコリ
ノーマナーではある、
だが、いつから最弱だと錯覚していた!?