貯金残高100円
期末テストも最終日を乗り越え"出来た出来ない"なんて事は今日は忘れてとにかくパーっと遊ぼう!と可奈と二人で街にお出掛けすることにしました。
「あれ?可奈ちょっと待ってて、刈谷先~輩!」
「奇偶だな」
「"運命"ですね」
「たまたまだよ、同じくらいに学校終わるんだから」
「テストどうでした?」
「バッチリだよ、補習なんかに時間使ってられないからな」
「ところで今日はお出掛けですか?レレレのレ……」
「……」
「やだ!先輩怖い顔しないで下さいよ!」
「銀行にちょっとな、通帳作って来たんだ」
「通帳ですか?」
「おう、まあアレだ、お前が色々してくれてるだろ、俺も何か出来ないかなぁって、せっかくだからその節約の成果を形に残そうと思ってな」
「先輩……ウルウル…」
「やめろ!嘘泣き!」
「違いますよ……ホントに感動してるんです……ウルウル」
「ほら!見ろ!ジャーン!通帳って100円でも作れるんだな知ってたか?」
「1円でも作れますよ、それから先輩が作ったのは通帳っていうよりも銀行の口座ですけどね」
「1円で作れるのか!?しまったぁ……99円損した」
「損はしてませんよ、預金されてるんですから、でも目標設定って大事ですよね、じゃあ先輩……デュフフ…目標金額達成したら私と付き合ってもらえますか?デュフ…デュフフ」
「おう!考えてもいいぞ」
「本当ですか!?」
「そうだな、じゃあ目標金額を1000万にしよう」
「よーし1000万円!って コラッ!」
「それよりあそこですっごい冷めた目でこっち見てるの間宮の友達じゃねえのか?」
先輩の指差す方を見ると放置されっぱなしだった可奈が静かな怒りを全身に纏い無言でコチラを見つめていました。
「ごめーん!可奈!」
「アイス今子のおごりね、トリプルよ」
「それじゃ刈谷先~輩!頑張りましょうね!」
よーし!私ももっともっと頑張ろう!




