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貯金残高―――

私は持ってきた大きなトートバッグからパネルを取りだしエプロンを付けると部屋の電気を消し教育テレビのお姉さんのように演じてみました。


「さあ、何が始まるのでしょうか?幸乃ちゃん分かるかなあ?」


そう言ってエプロンのポケットから蛍光絵の具で色付けをしたトナカイの紙人形を取り出してパネルにくっ付け、実家が電気屋さんの可奈から借りてきた携帯型のブラックライトをセットしました。


「わぁ~!すごーい」


幸次君が真っ先に食い付いてくれます。この子をサクラにして実演販売でもすれば全国回れるんじゃないかと思うくらいのコチラの期待通りの反応をしてくれるので助かります。


幸乃ちゃんは刈谷先輩の膝の上にちょこんと座りおとなしく観てくれています。


私は節約本と一緒に図書室で借りてきた保育士さん用の教育本を読んで、今日の為にいっしょけんめい練習してきたサンタクロースとトナカイのお話を光るパネルシアターにして披露したんです。


「めでたしめでたし。おしまい」


パチパチパチパチパチパチパチパチ


部屋を明るくした後も幸次君もお婆ちゃんもずっと拍手をしてくれていて、幸乃ちゃんも目を輝かせてお兄ちゃんの真似をして拍手してくれました。


私はその姿に嬉しくなって幸乃ちゃんを抱えてギュッと抱きしめたんです。


「うわぁ~ん!!!うわぁ~ん!」


やっちゃった……突然の私のハグにびっくりした幸乃ちゃんが泣き出してしまって大変でした。なんとか刈谷先輩が落ち着くまでだっこしてくれて良かったけど私の今日の目標だった"幸乃ちゃんと仲良くなる"は結局達成出来ませんでした。

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