紅魔館への襲撃 弐
紅美鈴を倒し、館の中に入った。
「しかし、こうも紅いと調子狂うな」
「あら、私達からすればそれは好都合だけど?」
それに応えながらナイフを持ったメイドが現れた。その光景を見て、
「フッ、もう少しましな登場の仕方があるだろ?十六夜咲夜」
「あなたの能力は厄介ですね。殺せと命じられてるので即刻殺します!」
桜はその言葉を聞いて、鼻で笑った。
「ふん、貴様には出来ないことだ。俺を殺すことは到底叶わない。貴様のような、半端者にはな」
挑発の意味を含めて、いい放った。
「よほど、殺されたいのね…いいわ、八つ裂きにしてやるわ!」
ナイフを構え、こっちに向かって来た。しかし、桜の次に発した言葉に目を丸くした。
「ふ~ん、『時を操る程度の能力』を持ってるのか。だけど、俺は不死身だから俺には、全然効かないから気をつけてね」
淡々とそして、無表情に告げた。
「な!?…やはり、その能力は厄介ですね。そのたたずまい、かなり殺しにな…れ…」
まるで、言ってはいけないことを言ったかのように、桜からは全てを殺してやると言ってるかのような殺気を放っていた。
「あら、何か言ってはいけないことでもありましたか?」
それは言ってはいけないことだった。
「フッフハハハ!久しく殺しをしてないからな。どれ、手始めに…お主を殺してやろう!」
「…まるで、人違いですね。あなた」
桜のような男が次に発した言葉に咲夜は驚愕した。
「ああ、人違いだ。こやつは、ここ最近は殺しはしてないかったからな。鈍ったようだな。だがもう、変わろ。儂は疲れた。後はこやつに任せよう」
そう言って、目を閉じた。
(今だったら、殺せる!)
咲夜はそう思い、ナイフを構えた。しかし、次の瞬間咲夜は固まった。何故なら、その場には桜はいなかった。
「まだ、甘い…な。しばらくの間、寝てもらおう。去らば!」
次の瞬間、咲夜は気絶をして倒れた。
「あの場で、もう少し早く動けばよかったな。十六夜咲夜、お主の主人は殺さずにしておく。それでは」
桜はそう言って、奥に進んだ。暫くすると、やたらデカイ扉があり、その扉を開けると本棚が目に入った。
「すげぇ…どんだけあんだ…?これは欲しい本ばっかだ…」
桜は現代ではいつも本を読んでおり、読んだ数は1000万は下らない。本棚にある本を見てそう言ってたら、
「あら?あなたはレミィから言われてた御客人かしら?」
「どういう風に言われてるのか見当はついてますがね。パチュリーさん?」
後ろから言われて、振り向きながら言った。
「あなた…外来人でしょ?何で分かるのよ?」
「これは俺の能力で分かる。勿論、あなたが魔法使いだってこともな」
「はあ…喘息がなかったら、戦ってたのにね…」
「ほう、お前は喘息持ちか?」
「ええ、レミィからはあまり戦うなと言われてるわ。大丈夫な時もあるんだけどね…」
「そうか、だったらお前とは戦わない。病気持ちを倒すのは好きじゃない」
「あら?案外優しいのね?」
「さっき言った通り好きじゃない。そんじゃ、行くか」
「レミィを殺したら容赦しないわよ」
「殺さねえよ。咲夜にもそう伝えておけ。咲夜にとってはあいつは希望だからな」
「分かってるならいいわ」
そう言って桜は図書館を出て咲夜の主人がいる部屋を目指した。