紅魔館への襲撃 壱
~紅魔館~
一人の吸血鬼が従者を呼んだ。
「咲夜、来なさい」
「はい、何でしょうか?お嬢様」
突如、そこにいたかのように咲夜と言う従者が来た。
「この紅魔館に、あの八雲紫が警告してた者が来る。万全の態勢でおもてなししなさい。わかったわね?」
その従者は驚愕の表情をしたがすぐにいつもの表情に戻り、
「かしこまりました。お嬢様」
主人にそう応え、消えた。
「ん~…ここは霧があるから見づらいな…何度消しても出てきそうだから止めておくが…そこでなにをしてる?氷妖精のチルノ」
とたんに後ろを振り向いて、そこにいたチルノに話しかけた。
「え、よくわかったね。このアタイのサイキョーに惚れたかい?」
「なぜそこまで話が飛ぶ。やはり馬鹿だな。それに気配を消そうとしても俺には通用しない」
「ば、馬鹿とはなにさ!このアタイのサイキョーにひれ伏せ!」
「ひれ伏すのはお前だ。消えろ」
無残にも言われた言葉の通り、チルノは消えた。
「さて、紅魔館に行くか…て、やっぱりもう知られてるか。やはり、俺の『気』に気付く奴がいたな。出会うとするか」
そのまま進み、館の前にいる門番に話しかけた。
「やはり、わかったんだね。俺の『気』に」
俺の姿を確認して紅美鈴は、
「ええ、あなたのその特殊な『気』は、すぐに気付きました。ですが、お嬢様の命令により、あなたを倒します」
言うやいなや、美鈴はすぐに攻撃に移った。がしかし、そこには桜はいなかった。
「!?どこに行った!?」
美鈴は桜の姿を探してたが、ニタリと物凄い悪寒を感じ、その場を避けた。そこには剣が数本刺さってた。
「へ~よく避けたね。ま、次は当てるけどね。シシシシッ」
最後に笑った顔はまるで、この世全てを食らい付かんとする顔。その顔に凍りついた美鈴は、
「嫌な笑顔ですね。ですが!早々倒されてはいけないので、いきます!」
言葉通り、彼女は攻撃を仕掛けてきた。隙のない攻撃。しかし、それは桜には通用しない。
「黒曜剣!」
「!?」
桜が叫ぶと、どこからか黒い剣が出てきた。
「そんなのただの剣じゃないですか。私には通じません!」
彼女の攻撃をその剣で受け止めた。
「な!?」
「悪いが、これは相当な切れ味だ。気を付けろよ?」
「ふん!そんなの関係ありません!」
桜が不敵に笑うと、
「そうか。だったら文句は言うなよ?桜符『桜花一閃』!」
「なに!?」
次の瞬間、彼女の前にいた桜は彼女の後ろにいた。
「一応峰打ちだ。次は…殺す」
残酷なそして、冷酷な言葉を聞いた美鈴は、
「すみません…お嬢様…」
そう言い残し、倒れた。