紅魔館への襲撃 終
フランは暗い空間にいた。
「ここ…どこ?確か、お姉様が男に!?お姉様は!?どこ?どこなの!?」
フランが発した言葉は暗い空間に吸い込まれた。
「…それにしてもここはどこ?…あれは?光りが見えるけど…行ってみましょう」
フランは光りの正体を見て驚愕した。
「嘘…ひどい…」
それはあまりにも残酷な光景。次々と人は死に、残された者は悲しみの涙を流してた。あまりにも残酷過ぎて、フランは口に手をつけた。
「ひ、ひどい…。?次は何?何を見せるの!?」
フランは叫んだが、その声は吸い込まれた。
「えっ、う、嘘…!何で!?助けようとしてたのに!彼は助けてたのに!何で責めるの!?彼は…彼は!あなた達を助けようとした!何でわからないの!?待ちなさい!」
フランはその光景に手を出そうとした。しかし、その手は掴まれた。
「え?」
「君はこれ以上見てはいけない。見ると元に戻れなくなる」
「あなたは…さっき、お姉様に…。けど…さっきのはあなたの記憶?」
「そうだ。俺はこの能力で人を助けようとした。けど、結局助けれなかった…現実は残酷だな」
「…何で…あなたは平気なの?あんなことされたのに…何で私を助けようとするの?」
「君には俺と同じようになってほしくない。ただそれだけだ。…君は今まで、たくさんのものを壊した。そして、俺はたくさんのものを助けようとした。まさにこれは正反対だ。けど、俺は今、ものを壊そうとしてる。だったら君は?君は、たくさんのものを助けろ。それが出来る君の誕生だ。わかるかな?」
「…うん。でも!あなたは…それでいいの?私は…嫌だ…」
桜はこれには驚愕した。
「何で…?」
「お兄様!」
「お兄様!?」
「私は嫌だ!お兄様は救われるべきよ!そうしないと、釣り合わない!」
「確かに…そうだけど、俺は楽しいからこういう風にする。ただそれだけだよ」
「お、お兄様…」
「何で俺のことをお兄様で呼ぶのはわかんないけど…ありがとう」
フランが見た桜の笑顔は、純粋な笑顔だった。
「けど…もう時間だ。戻ろう。俺は君達の敵になる。そして、君は彼女達を助ける。さあ、戻ろう!」
フランはもう一度、意識がなくなった。
これはどういうこと?いきなり彼はフランに向かって、そして、目を瞑った。まるで瞑想をするかのように。そして、私の元に咲夜が来た。
「!…これはどういう状況ですか?お嬢様」
「私も…と言いたいけど私はわかるわ。彼は…フランを助けようとしてる」
「なっ!?お嬢様!今すぐにでも…」
「止めなさい。咲夜」
「ですが…」
「彼の過去は、計り知れないわ…それも、あなたや、私達以上に。ね」
咲夜は驚愕した。それもそうだ。たかが人間が、あそこまでの過去を持ってるはずがない。彼は、人を助けようとした。けど…助けれず、そして、彼に矛先が向いた。
「終わりました。レミリア」
はっ!忘れてた。考え事に集中しすぎたようだ。
「そう…フランは?」
「お嬢様!」
「咲夜、少し黙ってて」
「は、はい…」
「フランはもう大丈夫だ。そして、ここに誓おう。この紅魔館には攻撃はしない。しかし、そちらが俺に対抗するんであれば…次に会った時は容赦しない。わかったな?」
「ええ、いいわ。けど、八雲紫に集められることがあるから、期待はしないで頂戴」
「それはわかっている。それと…レミリア」
「何かしら?」
「フランが俺のことを『お兄様』と呼ぶんだ。どうすればいい?」
「「え?」」
私と咲夜は驚愕した。あのフランが…
「それは…どういうこと?」
「さっき、フランと話してたら、フランが急にそう呼んできたんだ。どうすればいいんだ?」
本当に困った表情を出して困っていた。
「そ、そうね…そのまま呼ばしてあげたら?」
「い、いいのか?」
「別にいいわよ…フランがそうしたいならばね」
「そうか。それじゃ、俺はもう行く。またどこかで。…まあその時は敵同士だがな」
彼は笑ってそう言った。そして、どこかへ消えた。
「お嬢様。本当によろしかったのですか?」
「ええ、いいわ。それに…」
「あれ?ここは?お兄様は?」
「フラン。彼は行ったわ。そして、次に会う時は敵よ」
「嫌だ」
私と咲夜は驚いた。
「えっ、今、何て…」
「お兄様とは戦いたくない」
哀しい表情で、しかし、はっきりと言った。
「でも、それで彼は救われるわ」
「えっ?」
「彼と戦い、勝たなければ、彼は救われない。あなたはそれが出来る。いい?彼を止めるわよ?」
フランは納得した表情で、うんとはっきり頷いた。




