やって来た世界は?
次にこの世界だが、魔法やスキルなどがあり、人の天敵としてモンスターが存在している人の命が軽い世界だ。
人口も多い上に人の命も重い地球とは正反対な世界だ。
だから、俺はこの世界に転生させられたのだろう。
ひとまず、そう思う事にした。
それから、
家の事なのだが、身の回りには常に母親とメイドさんが数人いる。
俺の事を常に見続ける為のメイドさえいる位だ。
←なんだそりゃ?俺は某化粧品か?見つめていなくても品質は変わらん!
と思ったりするのだが、一人よりかは安心出来る気がする。
まだ自分では動けず退屈なので、見詰めて手を伸ばすと近寄ってきてチヤホヤしてくれる。
俺も男の端くれ抱き付いたり、抱かれたりは大好きだ。
このような待遇の良さ厳重さから薄々怪しいと予想していたが、どうやら、俺は王族であるらしい。
王位継承権とかは特に無く、次代の王を王族の中から国民選挙によって選ぶ。この選挙に限り、選挙権は子供から付与され、候補者の名前を書ければ良いらしい。
これによってより良い国王を選べる事と暗殺の予防を図っているらしい。
このため、次の王を輩出するため王族の教育は熱心に行われている。
子供が王に成れば、親からしたら子供が国民の皆に認められて愛されている事になるからだ。
逆に、教育される子供からすれば、王なんていう注目を浴びる面倒な職に就きたいと思わないので、わざと自分の欠点を言いふらしたりするようだ。
それが、他人から見れば自分に厳しい取り繕わない誠実な候補者だと映るのである。もちろん、中には王になり人を支配したい王族もいるのだが、その様な者が王になれた例はないそうだ(選出後に悪評に依って解任されるのは一族の恥で、国内だけでなくほぼ全世界にしれ渡り大変恐ろしい事態になる)。
どの王族も辿って来た道なので、王族内で敵対しているという事も無いのである。
そして、俺もそんな面倒なのはゴメンなのであるのだが、持っているスキルが多く(隠蔽によって隠してはいるが)強力な物であるため、次の王はアル様で確定だね♪と皆に言われている。
(オイ【怒】、俺はまだ4歳だぞ!!)
なので、俺は「王様より冒険者になりたい!!」と言われる度に返事をしている。幸い、今の王はまだまだ現役で若く美しい女王という事なので、安心している。因みに母親であったりする……
是非とも母親には長生きして貰わなければ俺の自由が無いのである。