不幸じゃない!
アルは検索魔法で不幸少女を探し転移した。
【アルベルト様!?】
いきなりの出現に不幸少女と志願者達は驚いていた。
「ご免、驚かせた?」とアルは不幸少女を見て話し掛けた。
「大丈夫です!」と多少の事では動じなさそうだ。
アルは宿の様子を見ると、
「此処って宿屋なの?」とあまりに宿屋らしくないみすぼらしさと周りに何も無い寂しさに思わず聞いてしまっていた。
「いえ、宿屋ではありません。300人が泊まれるような宿は無かったので、町の外に瓦礫や廃材とアルベルト様から頂いた資金で家を作ってしまいました。」
アルがあまりの思いっきりの良さと行動力に驚いていると………………
不幸少女は「あの、勝手に土地を使ってしまって駄目でしたでしょうか?」と上目遣いで聞いてきた。
町の外はモンスターのテリトリーと考えられている。
その為、町の外に家や店を作ろうと考える者はまずいない。
不幸少女はそこに家を建ててしまったのだ。
辺りを良く見てみるとモンスターの死骸が埋められた跡が所々にあった。
アルは先入観に囚われない不幸少女を感心して見詰めていた。
「あの、アルベルト様?」返事の無いアルに不幸少女は不安げに呼び掛けてきた。
「あぁ、ごめん。気を悪くしたか?」
「それは大丈夫ですが、宜しかったでしょうか?」
「あぁ、此処は誰の土地でもないから構わないよ。それにこの周辺に訓練校の施設を作って行けるから好都合だよ。」
「訓練校ですか?」
いきなり訓練校を此処に作ると話され不幸少女は困惑していた。
「あぁ、生きる手段を持たない者に生きるための力を身に付けさせる場所だ」
「でも、此処は争奪戦で傷付いた者を癒す為の場所では無いのですか?」
「あぁ、休養が必要な者には休んで貰い、訓練に参加出来る者には必要な事を教えていく。」
「それって、結局私達は一人もアルベルト様の奴隷にはしていただけないという事ですよね?」
不幸少女は念を押すかのように聞いてきた。
「あぁ」アルの簡潔な返事にその場にいる誰もがガックリと項垂れていた。
「でも、生きていけるように訓練してくださるんですね?」
「うん、それで此処の管理をどんな不幸にもめげない君にお願いしたい!」
「あの~……」
「やっぱりイヤか?」
「そうではなくて、私の事を不幸だと思われている様ですが、私は不幸ではないですよ?」
「そうなのか?」
『話を聞いたら如何にも不幸に思えたんだが?』
アルが不思議に思っていると…………
「不幸な人とは物事を決めつけて考えていたり、人の話や考えに耳を傾けずに人として成長出来ない人の事です!!」
アルが突然の演説にドギマギしていると、
「アルベルト様は不幸な人にはならないで下さいね。」
と注意をされてしまった。
「肝に命じておきす。」とアルが答えると安心したのか不幸ではない少女?は、その場で寝てしまうのだった。
すると、「「ジョナ姉さん~」」とアルを取り囲んでいた周りの少女達がジョナ姉さんを抱き抱え寝室へと連れて行った。
それを見送りながらどうしようかと考えているアル
「アルベルト様、もう夜で、皆疲れていますし、難しい話はジョナ姉さんじゃないと駄目だと思うので又後日お願いします。」
とお願いされてしまった。
『既に管理者をやってくれていたんだな』
アルがお願いするまでも無かった様である。
ひとまず、皆の様子が分かったアルは家へと帰るのだった。




