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気付いてくれ!

朝目覚めたアルは急な成長で今日も気だるかった。その上、古い外皮から新しい外皮になった為、皮膚は多少敏感になっていた。


だが、ユリカが製作した柔らかい着心地良い服と食事のお蔭で何とか朝の支度を終えられていた。


その為、アルは『もう、本当にコンテスト必要無いよな?』と暗い気持ちでいたが、会場には昨日、落選して泣いていたにも関わらず元気に司会をしているナタリーがいた。


アルは『ナタリーを見倣(みなら)わなきゃな!』と元気を出してコンテストに登録出来なかった者達へ昨晩考えた課題を発表する。

「今日はこの四人から俺を守って貰いたい!」


【えっ?】とアルの後ろにいた四人が疑問を露にした。


「私達が敵役なのですか?」

まずはオリビアが確認してきた。


次に、「普段とは逆の立場・視点を学ぶのも面白い!」とフォルン。


「成る程、そうですね」と同意するコナツ。


それに対して、「アル様は私の物だから、敵役なんて適役じゃないよ!!」

とカナリアが叫ぶと………………、


「適役では無いですが、カナリア一人の物でも無いわ」とオリビアがカナリアを牽制する。


「なら、私が奪ってやろう」とフォルン


「アルベルト様争奪戦か……」とコナツは楽しそうだ。


アルは後ろにいる眷族達の話を聞きながらも説明を続けていく。


その説明では基礎能力試験等をクリアした者が眷族から護りきったらアルが面談する事になっていた。


因みにコンテスト参加登録組みは発表はまだだったが本人には既に採用と落選を伝えていた。


一同は争奪戦の為、町の外へ移動を行う。


アルを取り囲んでいるのは300を越える女達だ。


争奪戦が始まると、流れ矢だけでなく流れ魔法で辺りはあっという間に混沌し地獄と化して行った❗


志願者の中には数名で協力して合成魔法を放つ者さえもいた。


アルは直ぐ様止めに入ろうとしたが、アル自身下手に動くと弾に当たりそうになってしまう。

如何に自動危機回避のスキルがあろうとも自ら危険に飛び込む者の面倒は見れないのだろう。何しろ安全な場所から危険に飛び込むのだ。


又、普段のアルなら止める事も可能だっただろうが、成長直後の為に気だるさが抜けきって居なかった。


仕方無く、観戦者の避難に注力するアルだが、一人ではキツい状況であった!


「ユリカとミエール!俺が障壁を此処に張るからなるべく避難させてくれ!!」アルは観戦者側にいた二人の側に転移してくるとお願いした。


【分かりました!!】と人々の避難に動き出す。


争奪戦が落ち着いた時を見計らって止めに入ろうとするアルだったが、眷族達は奴隷志願者を公然と攻撃出来る嬉しさで興奮状態にあるのかアルが転移した事にも気付いてない様で、念話にも反応を返して来なかった…………


まだ殺さない程度には手加減する余裕がある眷族達とは逆に、志願者達はまさに死にもの狂いで眷族達の攻撃に耐えていた。


志願者達はアルが既にそこにいないのにも気付いていない。


ただ逃げ場を探し求めているだけであった。


やがて、流れ弾が町に被弾しだす頃にはアルは気だるさも忘れる程に切れてしまっていた。


アルは「ヤメロ~❕❗」と叫ぶと同時に眷族達四人にビンタをかました。


〈キョトン〉とビンタされた理由が分かっていない眷族達


涙を流し倒れ込む志願者達


「お前ら、何で俺が怒っているのか分かるか?」


「ちょっと、やり過ぎました?」と、オリビアはにこやかに聞き返してくる。


「やり過ぎだろ!」と町を指し示すアル。


そこにカナリアが「アル様が逃げるように転移してユリカとミエールに指示を出していました!」とプンスカと怒りぎみに言ってきた。


「気付いていたのか?」とアルは驚いて振り向いた。


「私はアル様しか見てません!」と当たり前の如く言われ頭を抱えてしまう。


カナリアは後でもう一度反省させようと思い「フォルンとコナツは?」と尋ねてみた。


「アル様に良いところを見せたくて張り切りました!」

とフォルンは胸を張っている…………


「騎士は上の指示通り動くだけです。」とコナツも反省が見られなかった。


少ないながらも反省しているのがオリビアだけだと分かるとアルは夕日を見上げ溜め息をついていた………………

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