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十日後、アルは『なんでこうなったんだ!?』と後悔していた。
ナシガミの話は確かに、アルが相手をする必要も無く、大勢の志願者も納得する形で収まるという一挙両得になる話だった。
良い話だった筈だが、
アルが後悔する事になった経緯は十日前に遡る…………
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「アルベルト様、必要、不要はともかく奴隷を断りたいのでしたら、明確な根拠や理由が必要です。何しろ相手は自ら望んで只でアルベルト様の奴隷に成りたがっているのです。」
「うん、だから奴隷が側に居ると気疲れするから。奴隷が居ると困るんだ。」
「奴隷に気を遣われるのはアルベルト様だけですから、説明しても嘘だと疑われるでしょうな。」
「じゃあ、どうすれば良いんだ!?」
「コンテストを行えばよろしいんですよ。」
「コンテスト?」
「分かりやすくアルベルト様に馴染みがある説明にしますと、女王がアルベルト様の世話をするメイドを選別する様な事です。」
「あぁ、なるほど」
「コンテストで無理な課題や条件を付けて諦めさせるのです。」
「是非、それで頼む!!」
「分かりました。それで奴隷についての内容ですがどう致しますか?」
「それなら、オリビアが適任だと思う。『何しろ俺に近付く女には一番厳しいからな』」
「分かりました。それでは、オリビア様に来てもらって詳細を煮詰める形で宜しいでしょうか?」
「オリビアに町長の家に行くように伝えておくよ。」とアルは帰っていく。
「宜しくお願いします。」とナシガミは笑顔でアルを見送っていた。
そしてアルはオリビアに任せ詳細を知らないままコンテストの日がやって来る。
「さぁ、コンテストの日がやって参りました!!」とナシガミが張り切って開催を宣言した!
ナシガミの隣にはオウンゴールも立っている。
『ギルドはどうしたんだ?』と思っていると、、、
オウンゴールが「冒険者ギルドも今日はお休みしております!!」
「何故かと言うと~♪私、ナタリーもコンテストに参戦するからです!!」と受付嬢がオウンゴールの後ろから現れた。
「え~と、そういう事です。」とオウンゴールが項垂れた。
「おぃ、ナタリーさんが居なくなっちゃうよ!?」と冒険者達は騒然としている。
段々と騒がしくなってくると、、、
「そこの冒険者達!静かにしてください。私はまだギルド員なので、町のコンテストに非協力的な行為をしたら、依頼内容と評価に反映致しますよ。」と笑顔で告げた。
流石受付嬢である。冒険者を黙らす手段を心得ている。
「今回のコンテストへの出場者数は………え~と、〈?〉すみません、余りにも多くて数えるのを途中で諦めたそうです。」
「すまん、4052までは数えていたんだが、登録作業に追われてしまって無理だった。」オウンゴールが頭を下げた。
「冒険者も雇って作業したのですが無理だったようです。」ナタリーも頭を下げた。
「楽な依頼だと受けた俺がバカだったよ!!」と冒険者が叫んだ!
『いや、お前はバカだよ!!』
と周りの冒険者や町民達は思った。
良い奴なのだが、バカ過ぎて疲れる為、誰もパーティーを組んでくれないのだ。
此処で叫んだらバカを自らアピールしている様なものだが、それにも気付いてないのだ。
「今回、賞品として様々な品物がご用意されております。皆さん一緒に頑張りましょう!」ナタリーが楽しそうに拳を振り上げ参加者達を鼓舞していた。
『今回ってまさか次回もあるのか?』とアルが佇む中、コンテストが華やか?に開催された。




