交換 手紙
王国騎士達は呆然としていた!
大人しく素直と知られているアルがいきなり《家出発言》をしたのだ。
呆然としている騎士達を無視してアルは「その前に、ミエールを返してもらうぞ!何処に居る?」と話を進めた。
アルはどういう訳なのかミエールの気配が掴めていなかった。
恐らく、気配遮断の服等を着けているのだろう。
いきなり現れたアルを強制的に連れ戻すなど出来ないと分かっていた小隊長は「分かりました!では、ミエールが居る所へ案内致します。」と言い、
「分かった。」というアルの返事で案内し始めた。
小隊長は歩きながら「女王とオルガ様が心配しておいでです。せめて顔をお見せ願えませんか?」と聞いてきた。
アルは「その内、気が向いたら行くよ」と行く気も無い返事を返す。
「分かりました。でしたら、お手紙を書いて頂けませんか?成果が何も無しでは流石に帰れません。」困り顔で言ってくる。
『そっちの都合なんて知るかよ!』とは思うが面倒なので、
「ミエールと交換なら書くよ。」と素直に手紙を書くことにした。
見張りが居る小屋で縛られていたが無事なミエールと再会したアルは安心したので手紙を書き小隊長に渡した。
手紙を預かった小隊長は〈ホッ〉としたようだった。
ミエールが戻れば騎士に用など無いアルは転移でミエールと共に宿に戻る。
戻ったアルは[今、宿だ]と念を送った。
宿に戻った眷族達は、
【呼び出して先に帰るなんて酷いです!】と苦情を言ってきた。
「ゴメン忘れてた!でも、人数が増えると負担が増えるんだよ。」
手を合わせながら言うアルを見て、「仕方ないですね」とオリビアが言うと他の眷族達も言うだけ言って気が済んだのか許してくれた。
「これからギルドに行くから、皆付いてこい。」
【はい!喜んで!!】
「了解!」
「畏まりました。」
それぞれお決まりの返事がある?ようだ。
ギルドに着いたアルは受付嬢に「ミエールが見付かった!」と隣に居るミエールを示した。
「それではお預かりしていた10億リルは協力して下さった方々で山分けさせていただきます。」
受付嬢に「宜しくね。」と言ったアルは振り向きギルドに居る者に「今回は協力してくれて有り難う。」とお礼を言った。
そのアルの姿を見た冒険者達は『半日、右往左往していただけなんだが……』
と困惑していた。
天龍神族のイメージからかけ離れていたからだ。
「ナシガミとオウンゴールの二人についてなんだが、俺達をギルドに登録してくれたら返そうと思う。」
「それはオウンゴールギルド長に聞いてみられたら如何ですか?」と受付嬢は不思議な顔で聞いてきた。
「『?』まだオウンゴールがギルド長なのか?」
「はい、居場所も分かっておりますし、流石に1日居ないだけで交代は致しません。」
「分かった、又明日来る。」
「お待ちしております。」と受付嬢はにこやかに見送っていた。




