初奴隷と初命令
ミエールは落ち着いて来ると「お仕えして間もないのですがお願いがあります。」と話始めた。
「出来る事なら聞くけど、無理なことは無理だからね」とアルは釘を刺す。
「ハイ!、広場にいる鳥のモンスターを使って通る人々を脅かすのを止めていただきたいのです。かわりに私を好きにして下さって構いません。寝る間も惜しんで喜んで奉仕致します。」
「脅かしてるつもりはないけど、どういうこと?」
「人々が通るとグワッ!と大口を開けるのです!」
「被害は有ったの?」
「被害があった話は聞いておりません。」
「ただ、お腹空いてご飯が欲しかっただけじゃないの?誰か餌あげたりしなかった?」
「住民が怯えて腰を抜かして落とした食べ物を食べていたそうです。」
「………………それが原因だと思うんだけど、オリビアはどう思う?」
「鳥はモンスターの中でも賢い部類なので、それが原因だと思います。」
「だそうだけど?」
「はい、すみません。」
「まぁ、明日には出発するから気にしなくて良いよ。」
とアルが纏めると、
「アル様への奉仕は私達メイドの仕事ですから奴隷の貴女がさせて貰えるとは思わないように!」とオリビアが新顔ミエールに釘を刺した。
さっそく怒られてしまったミエールは「はい、すみませんでした。」と萎縮してしまう。
オリビアに言われたように今のミエールは新顔奴隷である。
アルへの奉仕という大切な役目を直ぐに与えられる訳がなかった。
それは奴隷が存在するこの世界では当然で、ミエール本人も分かっていた事だったが、無事に話が済んだ事と奴隷成り立てで自覚がまだ浅かった為に余計な事を言ってしまっていた。
先輩奴隷や世話をする者がいる場合に言うなら奉仕とは言わず働くと言うべきだった。
自分の失態に落ち込んでいるミエールを見て、アルは「その内お願いするよ。」と慰めた。
「そんな!!」と悲しそうな顔をするオリビア
それを見たアルは、
「二人とも仲良くやってくれ気が休まらないじゃないか。」と言うと、
「分かりました!」とにこやかな返事をするミエールに対し、
独占欲が高いオリビアは「分かりました。」と渋々返事を返した。
分かってないとようだと感じたアルは、
「分かった!」と言うと部屋を出ていこうとする。
「あのどちらに?」とオリビアが疑問を投げ掛けると、
「何処か気の休まる場所を探しに行く!」とアルが強い語調で言い放つ。
「ミエールに厳しく当たり済みませんでした。」とオリビアが慌てて言うが、それでも黙ったまま振り返らないアルに対し焦り、
「此れからは私が責任を以てアル様の居場所を御守りします。」
と続けて言うと、漸く振り返ったアルに今度はミエールが
「私の自覚のなさに済みませんでした!」と謝ってきた。
それにオリビアも「私が悪かったのよ?」と返す。
お互い私がと言い始め、そのまま《私が合戦》が始まりそうになってきた。
するとアルは「ダ・マ・レ❗」と言い放った!
「アル様?」とオリビア
「アルベルト様!」とミエール
「聞こえたよな?許可を出すまで口を開くな!」
アル初めての怒命令に震えて頷くオリビアとミエール
「ヨシ!お前ら布団で抱き合って寝ろ!」
二人が言う通りにすると、別の布団に入ったアルは、
「お休みなさい」と言って寝てしまった。
呆気に取られた二人は不器用なアルの優しさに
顔を向い合わせ《クスッ》と黙って笑い合うのだった。
宜しくお願いします。
後日、若干書き直すかもしれません。




