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不機嫌

明けて翌日の昼間、アルは不機嫌だった。

別に会いたくも無く、会う必要も無いのに町長ナシガミが宿に訪れたからだ。


「何か用ですか?」アルは不機嫌を隠す事も出来ずに冷たい声でナシガミに問い掛ける。

ナシガミは冷や汗を流しづつ「昨日は有り難うございました!」

とお礼を言ってきた。

アルは「そんなのは良いから『早く帰れよ』」と短く返答した。

そのアルの物言いと態度を言葉より物を寄越せと勘違いしたナシガミは

「お礼はもう暫くお待ち下さい」と焦って返す。

それに対しアルは「もうどうでも良いから消えてくれ!」とうんざりしながら強い語調で返す。

そもそも王族のアルに欲しい物なんてない。

それなのに、お礼だなんだで足止めを食い知らない人の相手をするのは不愉快だった。


それに加えアルが不機嫌になる理由がナシガミ訪問前に二つあった……


『ポイントが減ってるのはまだ分かるんだけど、何でステータスが増えて無いんだよ!』心の叫び通り、

一つは、ポイントが減っていることであり、

もう一つは、ステータスが増えてないことだった。


昨日は眠気に任せ宿に着くなり直ぐ様寝付いたアルはナシガミが宿に訪問する少し前に起きるとすぐにステータスとポイントを確認していた。


寝起きで空腹な時、予想以上に悪い結果を二つも突き付けられたら誰でも不機嫌になるのは仕方がなかった。


そう!まさか、

あれだけ痛い思いして血を流し腕までも食べられたと謂うのにアルに鳥のステータス分が加算されてなかったのだ!


アルは広場にいるラミーに念話で話し掛けた。


[おい!ラミー、俺の眷族になったんじゃないのか?]

[ナッテナイヨ?ベル様ノ側ニ居レバ美味しいノ(アルの血肉)貰えるト思って近くニ居るダケダヨ。]

[なってなかったのか?]

[ソウダヨ~]

それを聞いたアルは、ポイントが五万弱程しか無かった事もあり二重にがっかりしていた。


そうしてまだ気持ちの整理が付いてない所へ町長ナシガミが訪れたのだ。


そうとは知らず、ろくなお礼を示さない自分達に苛立ちが向けられていると思ったナシガミは『何とかしないと消される?』と勘違いを深めていき、

「もう暫く、宿でゆっくりして居てくださいませんか?」と言い残し逃げるように慌てて帰っていった……


そう言われてしまったアルは相手を気にして王都に帰りたくとも帰れなかった。


そのままギルドに向かったナシガミはギルド長オウンゴールに話の結果を伝えに来ていた。


「そうか、かなり苛立ってたんだな?」

「あぁ、消えてくれと睨まれたんだ!何とかしないと町が消されるかも知れん。」

そこへ「話は大体分かりました!」

ギルド長室に入るなり言い放った人物は領主の娘だった。

「明日は私がアルベルト様の元へ参りましょう!」

「宜しいのですか?」ナシガミが尋ねる。

「それ以外に手立てが在りません。」

「態々、領主の娘が行かずとも……」とオウンゴールが口ごもる。

「領主の一人娘だから誠意が伝わるという物です。これは父様の命令であると同時に私の意志でもあるのです。」とにこやかに柔らかい笑顔で話す娘に二人はそれ以上言うことが出来なかった。

後日少し修正するかも知れません。


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