奮起するアル
アルはフォルンとカナリアに刺され転移で飛ばした時に初めて眷族達の考えに気付いた。
それ以来、眷族達の居場所と考えを探っていたのだが、
半日が過ぎる頃に眷族が一人増えた様で身体に負荷が懸かったように身体が動かせないでいた。
苦しいながらも無理すれば少しは動ける様になって来た頃、
新しい眷族とオリビアがモンスターと闘い傷付いていくのが分かった。
そして、その様な状態が二時間弱程であろうか続いた後、
オリビアの『今までお世話になりました。』
という喜びの意識が届いて来たのだ!
アルは気付く、オリビアが死ぬ気でいる。
そして思う、オリビアを失いたくない!と
アルは無理してでも、身体を動かし転移を使うのだった。
アルは焦っていた!
オリビアが、『これだけ血を飲ませれば眷族になる!』
と勘違いしていたからだ。
実際はアルが何度食われようが、ドラゴンは眷族にならない。
それ程に、アルとドラゴンのステータスの差は開いていた。
しかも、これまで関わった事すらないドラゴンが眷族になる訳がなかった。そして、今転移した目の前ではオリビアが食べられようとしている。
アルはとっさに時間を止めると同時に再度転移を使い、オリビアを引き離す事に成功する。だが、代わりにアルの左半身が食べられてしまっていた。
そのアルはオリビアを助けられ安堵する。
体の再生は既に終えているが、コナツが眷族になった負荷がかなり残っているため立っているのさえ辛そうにしている。
だが、「オリビア大丈夫だった?」
それがアルから出た第一声だった。
アルの声を久々(まだ一日も経っていないが)に聞いたオリビアは涙ぐんで応えられずにいた。
心配するアルは「もう大丈夫だから」とオリビアの治療をしていく。
対するオリビアはアルが身を呈して助けてくれて嬉しく思うと同時に後悔していた。アル様の事を思ってした事だったが、結果を見ればアル様に無理をさせ命の危機に巻き込んでしまっていたからだ。
そこで新しく眷族となったコナツが進言してきた。
「アルベルト様、早くここを離れましょう!」
「そうだね、そうしよう。」とコナツに応え、
ドラゴンには「今回は勝手なお願いして済まなかった。又、お願いに来るかもしれないけどその時は宜しく。」と言い転移でドラゴンから離れるのだった。
置いてきぼりを食ったドラゴンは
『あの子、美味しかった~又、食べられるのかな?』
と思う。
そしてドラゴンは気が付いてなかったが、
ステータスが微かに上がっていたのだった。




