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プロローグ
毎日が退屈だった。
平日は学校に行き、家に帰り、ゲームをして、寝て。
休日は家で一日中ゲームをして。
一週間というものはこの繰り返しで、何度も何度も回っていく。
少年はそんな毎日を送ることを嫌っていた。何か生活に劇的な変化をもたらしたかった。
しかし、少年にはそんな力もないし、それを行う勇気もない。
「もう、十一時半か……」
ふと時計を見ればすでにそんな時間になっている。
これが少年の日常だった。
「寝るか……」
そして、布団にもぐりこみ今日のことを振り返る。
「また、同じ生活をおくっちゃたな~」
ぽつりとそんなことをつぶやくと、意識はすぐにこの世界から離脱し、もう一つの世界へと誘われる。
そこで少年は聞いた気がした。
「君が望む、君たちの世界へようこそ」