冒険者たち
誤字脱字等ありましたら指摘していただけると喜びます。
7/28 改稿しました。
所変わってここはトウキョウという都市の冒険者ギルドの前
(なんでマスターから直接呼び出されたんだろ?それに、なんで呼び出されたのか書いてない・・・)
疑問に思いつつ、わたしは勝手知ったるなんとやら、冒険者ギルドに入っていく。
そして受付のお姉さんに用件を伝える。
「すいません、マスターに呼ばれたんですけど・・・」
「あ、イヨさん。マスターなら奥にいますよ、どうぞ。」
そう言ってお姉さんは受付の奥に続く道へ通してくれる。
マスターの部屋の前にたってノックをする。
-コンコン
「イヨか?」
「はい。失礼します。」
マスターの部屋に入る。
(あれ?サトシさん達がいる?)
部屋にはサトシさん、カイルさん、アニータさんのAランクパーティーがいた。
「サトシさん、カイルさん、アニータさん、お久しぶりですっ」
「おう」
「イヨちゃん、久しぶりだね」
「なんだい、イヨも呼ばれてたのかい」
皆さんに会うのは半年ぶりかなぁ。
わたしはちょくちょく皆さんの救急箱(?)としてクエストのお手伝いをしているのです。
なんて考えていたらマスターの声が聞こえてきた。
「よし、全員揃ったようだな」
マスターが見回してから発言する。
「で、なんでアタイらが呼ばれたのさ?」
「受けて欲しいクエストがあるのさ。内容は今から説明する」
「ふむ、とりあえず話を聞いてから判断しよう」
「異議なーし」
「え?わたしもですか?」
サトシさんたちが指名されるのはわかりますが、なぜ私まで?
「あぁ、イヨにも出来ればこのクエストに参加して欲しい」
「わかりました」
「では、クエストの内容を説明する。
クエストの概要自体は簡単だ。特定の地域に行って、そこにある地下施設を調査してきて欲しい。期間は特になし。但し該当地域への到着は早いほうがいい。報酬は80万Mだ
」
「どこに行けばいいんだ?」
「危険指定地域Bだ」
「げっ、危険指定地域かよ」
なんですとっ。
地図を見たアニータさんが何かに気づいたように言う。
「おや、ここってたしか棄てられた街があったはずだよ。」
「あぁ、具体的に調べて欲しいのはこの棄てられた街にある元研究施設の地下だ。」
「なんでこんな所に?」
「昨夜、この地域でマナが一瞬のうちに枯渇した。まだマナは枯渇している状態が続いている」
「なるほど、依頼者はこの研究施設になんかあるって踏んでるのかい。」
「それはわからん。クエスト内容は以上だ。何か質問あるか?」
「あのー、やっぱりそれ、わたしいります?」
「マナが枯渇しているということは、魔獣と戦うことになった場合に強力な魔術が使えない可能性がある。つまり、物理攻撃メインになるわけだが、そうなったら負傷する確率も上がる。ま、要は保険だ」
「そういうことでしたら・・・」
ちなみにイヨは手伝いだと思っているが、彼女の治癒魔術は高ランクの冒険者にも匹敵するため十分な戦力となる。
「ただ、マナが無いということは魔獣も一時的にその地域からいなくなっていると思われる。だから、そう気負うこともない」
「はい。わかりました」
納得して下がると、代わってサトシさんが質問をする。
「一つ質問だ。車は貸してくれるのか?車がなかったら【身体強化】で走っても3日はかかるぞ」
「あぁ、車の貸し出しは認めよう。ただし、車から離れるときは【隠蔽】を使っとけよ?高いんだからな」
「車があるのはありがたいねぇ。で、なんでアタイらなんだい?Bランクパーティーでも行けそうな気がするんだけど」
「1週間ほど前、あのあたりで幻獣の目撃情報があった。さらに、今フリーな高ランクパーティーはお前たちしかいなかった、というわけだ」
「なるほどねぇ」
サトシさんの方を見たら顎に手を当てて何やら考えている様子です。
「よし、わかった。この依頼受けよう」
考えること数分、サトシさんはクエストを受けることにしたようです。
ふふふ、私の答えはもう決まってるんですよっ。
「わたしも大丈夫です」
「イヨも受けてくれるか」
「で、車はどれを使えばいいのー?」
「ギルドの裏手にある黒いSUVだ。今黒い車はそれしか無いからすぐわかるだろう」
「出発は早いほうがいいわね」
「じゃあ行くか。準備もあるだろうから3時間後にギルドの裏手に集合だ」
「「了解」」
久しぶりの冒険、ワクワクするねっ。
「ああ、忘れてた」
ガクッ、なんですかマスター。
「ほれ、かなり古いが、これが研究所の地下への入り口があるところに印をつけた地図だ。持っていけ」
おお!地図は大切ですね。
気を取り直して、準備開始っ
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準備といっても着替えを何着かと予備の魔石をいくつか持ってくるだけだったのであまり時間はかからなかった。車もありますし。
「よし、全員揃ったな。じゃあこれからクエストに向かう」
「僕が運転していい?」
ウキウキしながらカイルさんがサトシさんに訊いてる・・・
「あぁ、いいぞ。助手席は俺が座るから、アニータとイヨは後部座席に座ってくれ」
「りょーかい」
「わかりました」
右か左かどっちに乗ろうかなー。あ、アニータさんがもう座ってる・・・。
「今から出発したらおそらく1晩どこかでキャンプをして、明日の昼には現地に到着するはずだ。道中はそこまで危険な魔獣は居ないはずだから一気に進むぞ」
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運良く魔獣には出会わなかったよっ。ということで今は夜のキャンプ中。
アニータさんが作ってくれた夕ごはんを食べて明日に向けてミーティングしてます。
アニータさんのご飯はとってもおいしかったです。
「明日は朝に出発して、順調に行けば昼前にこの危険指定地域Bに到着するはずだ。
その手前で車は置いていく。そこからは徒歩でこの研究施設に向かう。研究施設に到着するのは多分昼過ぎくらいだな」
地図を広げながらサトシさんが説明してくれる。
「危険指定地域Bの中には魔獣がいない可能性が高い。奴らはマナが薄いところにはなぜか住まないからな。問題は研究施設の地下への入り口を見つけることだな。なにぶん長い間放置されていたから、きっと埋もれているだろう」
「でもこの場所に入り口があるんですよね?」
「あぁ、だから研究施設に着いたら俺とカイルが身体強化して瓦礫をどかす。瓦礫がなかったらそのまま突入だ」
「えっ、僕もやるのっ!?」
「当たり前だ。」
「ぶーぶー」
「あんたは子供かい!」
「はーい・・・」
カイルさんが渋々頷いてる・・・
「じゃあ、今日はこのあたりにして寝るか」
「「おやすみなさい」」
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またも危険指定地域Bの手前まで魔獣はでなかった。ちょっと暇。
「ここに車を置いていくぞ。アニータ、【隠蔽】を頼む」
「はいよ」
【隠蔽】をかけると車が目の前から消えたような感じがした。これはすごい・・・
驚いているとサトシさんに話しかけられた。
「あぁ、イヨは【隠蔽】見るのは初めてか」
「はいっ、一瞬消えたように感じました」
「最初に見たときはびっくりするよねー」
ほんと、びっくりです。
「まぁ、でもここに車があると知っている人だったら慣れれば普通に見えるようになる」
「そういうものなのですか?」
「そういうものだ」
どういう仕組みになってるんだろ・・・不思議だなぁ
「とりあえず昼飯食ってから街へ入るぞ」
さーて、今日はどの保存食を食べようかなー?カバンをゴソゴソして最初に引いたのを食べようっと・・・・『携帯保存食:しるこ味』!!??
今日のお昼ごはんはこれですか・・・なんと世知辛い。
もぐもぐ・・・あ、意外といける・・・もぐもぐ・・・
「さぁ、行くぞ。一応警戒しておけ」
あたりの様子に気をつけながら街へ突入です。
「本当に魔獣がいませんね・・・」
「まぁ、すんなり行けるのはいいことだね」
「あっ、あれ研究施設じゃない?」
「確かに、地図でもあのあたりだな」
「じゃあ、掃除してから地下への入口を探すか」
そう言うとサトシさんとカイルさんは身体強化を使って瓦礫をちゃっちゃと処分しちゃいました。
捜索開始~
うーん・・・どこにあるんだろう・・・地図だとこのへんっぽいのに・・・
入り口―、どこですかー?ここには円形のくぼみしか無いし・・・
あ、そういえばどんな形の入り口なんだろう?ちょっとサトシさんに聞いてみよう。
「サトシさん、サトシさん」
「なんだ?」
「地下への入り口ってどんな形してるかわかりますか?」
「しまった、伝えてなかったな。地図には印の所に線が引いてあって図が書いてあるからこの図を参考にして探してくれ」
「どれどれ・・・あっ」
「どうした?」
「この形をした地面、見ましたよっ」
「何処だ?」
えーと、たしかこっちの方だったような・・・。
「これですこれです」
「おお!たしかにこれだな。おーい!カイル!アニータ!こっちに来い!入り口があったぞ!」
「おお、みつかったのかい」
「でもこれどうやって開けるんだろう?」
「確かに」
かなり硬そうな感じに閉まっちゃってるね・・・
「そうですね・・・」
「ブチ壊すかい?」
「まぁ、待て。とりあえずちょっと調べてみる」
うーん、ガッチリ閉じちゃってるなぁ・・・開け方もわからない・・・
「しょうがない、依頼の内容に壊すなとはなかったからな、アニータの意見で行くか。」
「アニータ、【エクスプロージョン】でここ壊せるか?」
「いつもより多く魔力を込めれば何とかイケルと思うよ。やっぱマナがないと辛いねぇ」
「すまない、頼む」
「あいよ。ちょっと離れておいてくれ。・・・・・・爆裂しろ!【エクスプロージョン】!」
アニータさんが魔術を発動すると同時にあたりに光が満ち、爆音が響く。
「さぁ、これで穴が開いたはずだよ」
「どれどれ・・・うむ、これで下にいけるな。明かりを用意して、と・・・【シャイン】!」
「うおっまぶしっ」
「バカなこと言ってないでさっさと行くぞ」
さぁ、この下はどうなってるのかなー?
イヨさんヒロインです