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Artificial Magi  作者: 津賀
第2章 トウキョウ
20/34

アリアン

誤字脱字等ありましたら連絡していただけると喜びます

朝、目覚めた僕はホムンクルスも気になったがとりあえずヤマトさんと訓練を行うため庭に向かう。

「おはよう」

「おはようございます」

「じゃあ、早速だけど訓練をしようか」

「はい!」

最初の訓練ということで基本的な立ち回り方について教えてもらった後、ランニングと筋トレを行った。その結果、体力や筋肉量的には問題ないため明日からは立ち回りの練習を行うこととなった。

朝食前に一旦汗を流すためにシャワーを浴び、部屋に戻る。


ホムンクルスがどうなったのか確かめるため、【個人空間】へと入る。

(確か入ってすぐのところで実験したはずだけど・・・)

実験を行ったはずの場所から女の子が消えていた。

(実験は成功していたのか!)

と内心で喜んでいると、遠くからタタタと走ってくるような足音が聞こえてくる。

その足跡の主で、黒髪碧眼の小柄な女の子は僕の前で立ち止まり

「はじめまして、マイマスター

クールに挨拶してくれた。


とりあえず、ご飯を食べないといけない&この子を紹介するため一旦個人空間の外に出る。

「いつ頃から起きていたんだ?」

「主が来る20分ほど前です。主の個人空間を散策しておりました」

少々やり取りが堅いが知識の継承もできているようだ。

ホムンクルスを伴って下へ降り、居間に入る。当然のことながら騒然としている。

「どうしたの、そのかわいい女の子!?」「カムイも男だったか」「お兄様!!!」

「すいません、とりあえず事情を聞いてください!」

静かになったのを確認し、彼女は僕が作った人工生命体であるということを説明する。


「それって昨日話していらしたホムンクルスというゴーレムみたいな存在ですか?」

「そうそう、よく覚えていたね」

ユウナは昨日した話を覚えてくれていたようだ。アザミさんは「あらあらまぁまぁ」という意味深な反応をしていて、ヤマトさんは「なるほど」と納得してくれている。

「さぁ、皆に挨拶するんだ」

「すいません、主。先程から皆様の喋っている言葉がわからないため、挨拶することができません」

「あー・・・確かに、今喋ってるのは日本語だな・・・。ちょっと待ってろ、今翻訳魔術をかける」

どうやら僕がまだこっちの言語を習得してなかったため日本語しか継承できなかったようだ。ということでホムンクルスに【翻訳】を掛ける。

「ありがとうございます、主」

「まぁ、ちゃんと喋れるのですね」

「あぁ、知識の継承もうまく行ってるみたいだから僕の知ってることは割りと継いでると思う。じゃあ、改めて皆に挨拶をしてくれ」

「皆様、初めまして。私は昨夜、主により命を授けていただいたホムンクルスです。以後、お見知りおきを」

「ねぇカムイ、この子の名前ってあるの?」

「まだつけてないです・・・」

「あら、それはいけないわ。ちゃんとこの子に名前をつけてあげるのよ?」

「わかりました・・・一応考えていた名前があるのでそれをつけてあげようと思うのですが」

「どんな名前なんですか?」

「アリアンだよ」

「いいと思いますわ」「私も意義はないわ」「僕もいいと思うよ」

一応全員からOKを貰うことができた。

「よし、じゃあ今日から君はアリアンだ」

「ありがとうございます、主」

「じゃあ、話がまとまったところでご飯を食べましょう。あ、でもアリアンさんの分はどうしましょう」

「心配ありません。私は主の魔力オドやマナがあれば食事をする必要がありません」

そう、アリアンには普通の食事は必要ない。僕が魔力を与えるかマナの多い場所にちょっと滞在するだけで動力を確保することができるのだ。


「じゃあ、私たちはご飯をいただきましょう」

朝食を食べ終わってのんびりしていたらアザミさんが忘れてたわと言って何かを持ってきた。

「これ、学園編入試験の受験票。試験は来週の頭よ」

「ら、来週ですか・・・」

なんと急な

「今のお兄様でしたら問題ありませんわ。魔術学の点数が多少低くても実技試験でひっくり返せます」

「そうだといいな・・・すまんユウナ、魔術学の教科書を後で貸してくれ」

「もちろんいいですわ。わからないところがあったら聞きにいらしてください」

「ありがとう」

ユウナは頼りになるなぁ


今日の午前中は冒険者ギルドに行ってアリアンの魔力測定や出来れば冒険者ギルドの登録などを行うことに決めた。午後からはBランクの討伐依頼を受けて戦闘中でもちゃんと魔術を発動できるような訓練をすることにした。今日は珍しくイヨやユウナも用事があるため来れないと言っていた。冒険者ギルドへ行く途中、走ってどこかに向かっていたイヨに会い、アリアンのことを軽く説明したら

「今度詳しく話を聞かせてねっ!」

と言いながら慌ただしく去っていった。相当時間がなかったようだ。引き止めてすまん、と心の中で謝っておく。


---------------------------------------------


冒険者ギルドに着いた。

受付でお姉さんから魔力測定装置を貸してもらう。

開いている席に座り、アリアンの魔力を測ったところ1000だった。

続いて、アリアンの詳細な状態を調べるため【サーチ:ボディ】を魔力多めで時間を掛けて発動する。

結果は

『名前:アリアン

年齢:?

種族:人工生命体

脳の状態:良好

筋肉の状態:良好

骨の状態:良好

血液の状態:良好

 心臓の下部に核となる魔石があり、そこから全身に魔力を運搬。

 保有魔力のうち半分ほどを身体を維持するために使用。

 常に魔力を循環させているため、身体強化と同様の効果が常に掛かっている。

となっていた。身体の維持に使われてる魔力は全体の半分くらいか・・・ということは400くらいしか自由に使える魔力はないな。

「どうでしたか?」

「健康状態には問題はない。ただ、身体の維持に魔力の半分を使ってるみたいだから、そのラインより少なくならないように気をつけてな」

「了解です、主」

「魔術についての知識はあるな?」

「はい」

その後、訓練場も借りて僕と追いかけっこをしたり近接戦闘の模擬戦などを行った。

その結果、【身体強化】無しでの身体能力は同じくらいで、格闘術については完全に敗北していた。強い。僕の知識を受け継いだはずなのに・・・なぜだ。


「じゃあ、とりあえず冒険者として登録しておくか」

一通りアリアンの状態を確認した僕は彼女を冒険者として登録することにする。身分証って大切だしね

「すいません、この子の登録をしたいのですが」

「わかりました。それではこちらの登録用紙に必要事項を記入してください」

「書けるか?」

「問題ありません」

そう言い、必要事項を記入していく。

「申し訳ありません、得意属性が不明です」

「それではこちらに手をおいてください」

アリアンは言われたとおりに手を置く。すると文字が浮かぶ。

「無属性のみですね」

「わかりました、ありがとうございます」

記入が終わったようだ。アリアンが用紙をお姉さんに渡す。


「こちらがギルドカードになりますので、一度魔力を流してください。・・・はい、これで登録は完了です」

ここで気になっていたことをお姉さんに聞く。

「すいません、僕のクエストにこの子を帯同させたいのですができるのでしょうか?」

「手伝い、という形でなら可能ですが、高ランクの方が低ランクの方を連れていく場合にはマスターの許可が必要となります」

「マスターって今から会うことはできますか?」

「それではギルドカードを提示してください。・・・カムイ様ですね、それでは少々お待ちください」

お姉さんが奥へと消える。

待つこと数分、お姉さんが帰ってきた。


「お待たせしました、今からでしたら大丈夫だそうです。どうぞ奥へ」

「ありがとうございます」

許可が出たのでマスターの部屋へと向かう。

相変わらず長い廊下を歩き、マスターの部屋の前まできた。

ノックをして入室する。


「よく来たな」

「急を言って申し訳ありません」

「いや、大丈夫だ。それで、用事は確か手伝いの許可を貰いに来たんだったな」

「はい、この子に手伝ってもらおうと思っています」

そう言い、アリアンを指す。

「とてもBランクの手伝いができるようには見えないが?」

確かに、見た目だけなら小柄な少女だし・・・。ということで事情を説明する

「そのあたりについては大丈夫です。この子は僕が開発したホムンクルス生成魔術で作った人工生命体で、見た目と体の構造はヒトそっくりとなっています。違いは核の魔石があることくらいですね」

「人工生命体だって・・・!?ヒトとしか思えないぞ、本当に人工生命体なのか?」

「えぇ、自我もちゃんとありますよ」

わかりづらいが、多分感情もちゃんと持ってるはず。

「それに、確かめてもらえばわかると思いますが、この子の身体能力は【身体強化】無しで獣人と同じくらいです。僕が言うのもなんですが、この体格で出せる身体能力ではないでしょう?」

「ではちょっとすまないが廊下を走って往復してみてくれないか?」

「了解しました」

そう言い、アリアンが廊下を往復してくる。トップアスリートもビックリのタイムだ。

「確かに、非常識な動きをしているな・・・。わかった、信じがたいが一応信じることにしよう・・・。ここまで出来るんだったら大丈夫だろう、手伝い同行の許可を与える」

「ありがとうございます」

マスターから許可をもらい、退室する。


お昼時だったのでいつもの『止まり木』でご飯を食べて、再び冒険者ギルドに帰ってくる。『止まり木』ではあいかわらずティナが忙しそうに働いていた。

ちなみにアリアンも物を食べることはできるため、昼ごはんは一緒に食べた。

冒険者ギルドでBランクの熊型魔獣『ラージベアー』5匹の討伐クエストを受ける。東門の外の森に居る1本の角を持った2~3mくらいの熊だそうだ。

「アリアン、これは僕の訓練を兼ねているから指示するまでは手を出さないでくれ」

「了解しました、主」

魔獣と闘いながら冷静に魔術を詠唱できるかという訓練を3~4匹でしよう。

残りはアリアン単独でも戦ってもらって、戦闘能力を確かめよう。


----------------------------------------------------


東門を出、森に入って1時間ほど歩いたところで1匹目のラージベアーを見つけた。

早速【身体強化】と【硬化】を自分にかけ、剣を取り出す。相手はB級、並の技では効かない可能性があるため接近戦を仕掛けつつ上級魔術で倒すことにする。

「アリアンはここで待機していてくれ」

「わかりました」

「行くぞっ!」

気合を入れ、ラージベアーに向かって駆け出す。


カムイの接近に気づいたラージベアーが振り返り、タイミングよく腕を振り下ろしてくる。

「グオオォォ!!」

「当たるかっ!」

ラージベアーが攻撃するのを見た瞬間、カムイは斜め前方に飛んで攻撃を回避する。

「これで一撃!」

カムイがラージベアーの横を通り過ぎる際に剣で胴を切りつけてダメージを与える。

今回は【魔力付加】を使用してないないため、カムイの手に肉を斬る不快な感覚が残る。

突進の勢いを利用し、ラージベアーと一旦距離をとり、カムイは魔術の準備を行う。

さすがにB級の魔獣、この短い間に体制を立て直しカムイに向かって走りだす。

ラージベアーを見つつ、

(冷静に、冷静にイメージしろ)

とカムイは自分に言い聞かせ魔術を発動する。

「爆ぜろ!【エクスプロージョン:コンプレス】」

カムイが魔術を発動した瞬間、向かってきていたラージベアーの胴が吹き飛び、そのまま絶命する。


「魔力は・・・うん、ほとんど減ってないな」

自分の残り魔力量を確認したカムイは満足気に頷いた。


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1匹目のラージベアーを倒した後は同じ戦法で違う魔術を使って、ラージベアーを追加で2匹ほど倒す。

クエスト達成まであと2匹、次はアリアンに戦ってもらうか。

「アリアン、次のラージベアーはアリアンが戦ってみてくれないか?」

「わかりました、やってみます」

ちなみに東門を出る前にアリアンの武器は買ってある。

アリアンはどうやら徒手空拳で戦うようで、武器は炎のルーンが入ったナックルだ。

ちょっと歩くとラージベアーを発見した。アリアンが【身体強化】を掛け、準備をする。

「それでは行ってきます」

「ちょっとまて・・・【外装:対象指定『アリアン』】」

「これは・・・ありがとうございます」

「怪我したら嫌だからね」

「では改めまして、行ってきます」

言うやいなやアリアンは少し遅めのスピードでラージベアーに迫る。


ラージベアーに接近しながらアリアンは己の獲物のサイズを少々誤っていたため、間合い等を即座に修正する。

(予想以上に大きいですね。遠方から見るのと接近して見るのではやはり違います)

「グオオオオオオ!」

アリアンが間合いに入った瞬間、ラージベアーが即座に攻撃を仕掛ける。

ものすごいスピードで腕を横に振り、爪でアリアンを引き裂こうとする。

ラージベアーの攻撃に合わせ、アリアンはバックステップをして攻撃を躱す。

攻撃を躱したアリアンは、腕を振り切ってわずかに体制が崩れたラージベアーとの距離を一足で詰め、少し飛び上がりながら拳を繰り出す。

「ッ!」

わずかに呼気が漏れる。

拳が当たったラージベアーの角が折れて飛び、その巨躯がよろめく。怯んだラージベアーに対し、アリアンは【身体強化】により極限まで引き上げられた身体能力を生かして連続で拳を叩きこむ。

「ガアアアアア!」

ラージベアーが苦し紛れの反撃で腕を振り回す。アリアンはそれを目で追い、最小限の動きで回避をする。

そして隙ができた瞬間、ナックルのルーンに魔力を通して炎を出す。

「これで終わりです」

身体を引き絞り、体重を乗せて巨躯の頭を砕くべく拳を繰り出す。

アリアンの拳がラージベアーの頭にあたった瞬間、ゴキャという嫌な音が鳴り響き、その頭が炎に包まれる。

「オオォォォォ」

最後はもがくようにしてラージベアーは絶命した。


ラージベアーを無傷で倒したアリアンがどことなく誇らしげにしながら戻ってくる。

「倒しました、主」

「ああ、おつかれさま。それにしてもすごいな、格闘なのに無傷であいつを倒すとは・・・」

そう言いながらねぎらいの意味を兼ねて頭を撫でる。

すっげぇ髪さらさらだ

「ありがとうございます、主」

「嫌じゃなかったか?」

「いえ、心地いいです」

ちょっとのんびりしたところで最後の1匹を探す。


-------------------------------------------------


最後の1匹もアリアンに戦ってもらい、アリアンの動き方を観察する。

アリアンが言うには

「相手の動きをよく見て、冷静に動けばいいんです」

だそうだが、僕は攻撃が来たらアリアンがやるようにちょっとの動きで回避できそうにない。慣れればできるようになるのかな・・・。

などと考えながらアリアンを凝視していたら一瞬強い光をアリアンが放ったと思ったらラージベアーが倒れていた。最後の攻撃が気になるが、どうやら倒し終わったようだ。ちなみに半分くらいの時間はアリアンに見とれてしまっていた。髪をはためかせながら戦う女の子っていいね。

討伐の証である角を持ってアリアンが帰ってくる。

「終わりました」

「ほい、おつれさん」

頭を撫でながらねぎらう。

「ところで、最後光っただろ?あれって何なんだ?」

「できそうなのでやってみました」

・・・できそうだからやってみた?もしかして固有魔術か?

「あれを発動する時、具体的なイメージをしたか?」

「いえ、結果だけイメージしました」

うん、これは固有魔術だろうな

「多分それは固有魔術だ。詳細はまた後日調べてみるか」

頭を撫でていた手を離す。いい加減帰らないと時間がまずいな。


「じゃあ、冒険者ギルドに帰ろうか」

「了解です」

今度は1時間半ほどかけて冒険者ギルドに帰る。

冒険者ギルドに着いた頃にはもう辺りは真っ暗になっていた。

お姉さんにラージベアー討伐の証を渡して、クエスト達成の報告をする。

報奨金20万は僕の口座に振り込んでおいてもらう。また、手伝いが達成されたということでアリアンは携帯通信端末をもらっていた。早速番号を交換する。


「これ以上用事はないし、家に帰ろうか」

「はい」

家に帰った時はちょうどご飯の前だったらしく、皆揃って(アリアン含む)ごはんを食べる。

ご飯を食べ終わり、風呂からあがったらアリアンの寝床をどうするかという話になっていた。どうやらもう部屋はないらしく、僕の【個人空間】で寝ることになったらしい。あそこマナがないから寝る前にアリアンに魔力入れとかないと・・・


アリアンに魔力を与え、【個人空間】に送り込んだところでベットにダイブする。

今日もほどほどに疲れたため、すぐに睡魔が襲ってくる。

(あー・・・勉強しとかないとなー・・・)

編入試験が来週に迫ってることを思い出しつつ、眠りに落ちた。


これにて2章終了です。


にゅーひろいん、ホムンクルスのアリアンさん。

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