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理想と現実
PM 7:30
俺は彼女に返すメールに悩んでいた。
正直、色々考えてしまうのだ。
妊娠は事実なのか…
病院には行ったのか…
彼女は産むつもりなのか…
どっちにしろ金をどうするか…
そして、彼女に訊きたくて訊けない質問。
それは、本当に俺の子なのか…?
疑ってるわけじゃない。
だけどただ確認したいのだ。
俺がそうしてぐるぐると考えを巡らせていると、待ちきれなくなったのか彼女からメールが届いた。
『ねぇ、もしそうなら産んでもいいの?』
いきなり核心をつかないでくれ…
その答えの前に確かめたいことは山ほどあるんだ。
けれども…俺は訊きたいことも訊かないままメールを返してしまった。
『…堕ろしてくれないか?』
自分のふがいなさにめまいがした。
心から自分を憎んだ。
そんな俺なのに、彼女は
『判ってるから大丈夫だよ。』
と返事を寄越した。
そのメールは更にこう続いていた。