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4/5

4、予想できないもの

***サイド・千弦

まだ怠い。

トイレを済ませて、水を飲もうと冷蔵庫を開けると、いろんな飲み物や食べ物が詰めてある。

そーくん、かな?

スポーツドリンクを出してテーブルを見たらメモがあった。

【ちーちゃんへ 食えそうならどれでも食ってください。いらないやつは俺が食うから】

「ふふ」

笑いが溢れる。ああ、ホントそーくんには心を助けられてるな。

なんでもいいから話したい。

ベッドに戻り携帯を開く。

こんな夜中に『あいたい』なんて言ったら迷惑だよなぁ。でも、顔見たいなぁ。

気づいた時には送ってしまっていた。

慌てて消そうとしたが、既読がついてる。

恥ずかしさでベッドに崩れ落ちた。


サイド・総一郎

ちーちゃんから『あいたい』なんて可愛いLINEが来たから猛ダッシュしてる。

鍵を開けて部屋へ、居ない?

寝室、居た!まだ寝てる?待ってる間にねちゃったのかな?

「ちーちゃん?」

側により、そっと髪を撫でる

「ん、そぉくん?」

「あ、悪い、起こして」

「そぉくん…大好き」

ギュッと首に抱きつかれてそう囁かれた。

(いやいやいや!この好きはライクだ!落ち着け!決してラブではない!)

ちーちゃんに動きがない。

「ちーちゃん?」

俺が固まってる間にまた寝てしまったらしいちーちゃんを布団に戻して「俺も好きだよ」と額にキスして寝室を出た。


自室に戻り、ドアに寄りかかりへたり込む。

「やべぇ、心臓うるせっ」

顔も熱い。

あーもう。ちーちゃん、可愛いすぎる。

なんだよ、大好きって!俺の理性試してんの?デコチューで止めた俺頑張った!



***サイド・千弦

どさくさに紛れて抱きついて、寝言を盾に告白してみたら、額にキスされた。

音だけじゃない、ちゃんと触れるやつ。

でも…額。

これはどっちだ!?


***サイド・椎名


あの後、悶々として寝れなかったから仕事捌いてたら目ぇ真っ赤になってた。

「会長と良い、委員長と良い、無理しすぎですよ!」

と新しい副委員に怒られた。

ちーちゃんは今日は休みだ。

朝に『休む』とだけ来た。


…コレはどっちだろう?『あいたい』が残ってるから恥ずかしいのか、『だいすき』ハグを覚えてるのか。

まあ、いいか。それはちーちゃんが考える事。


俺が考えなきゃいけないのは

『恋という下心』をどうするか、だ。


いや、もう、だってさ?

考えれば考えるほど、俺ってちーちゃん好きなんだよ。

ラブなんだよ。

守りたいし側にいたい。

触りたいし独り占めしたい。

ここまで強く欲しくなった事ねぇよ…。


「ハアー!どうすっかなぁ」

頭を抱えてデカいため息つけば、遠くで「そんな難しい問題が?」て身構える声がした。

目の前の書類を見る。

顔を上げる。

「…沖田ぁ!お前、次の風紀委員副委員な!」

「なんですか、それ!?」

手元の書類を指で摘んでヒラリと振る。

「後任の指名だよ」


「遠藤消えたからさ。いるじゃん?お前なら来年俺が消えても実務引き継げるだろ。」


俺たちは二年生。早いやつはもうすでに受験に向けて取り組んでいる。


ちーちゃんと過ごせるのも、後一年くらいなもんだ。

ちーちゃん、バイトして旅行行く話、本気にしてない、かな?してくれてたら二人で過ごせるのに。


梅雨が終われば、かなり暑くなって来た。

夏休みまでもう10日程。

(このままじゃ、1カ月以上ちーちゃんに会えない)


最初のタイムリミットが近づいてきてた。


**×


サイド・千弦


身体は疲れ果ていた。いや、心もか。

アラームに起こされて、また寝ていたのに気づいた。

そーくんと兄さんに『休む』と連絡。

冷蔵庫からプリンと牛乳だけ腹に詰め込んだ。

そーくんからは『分かった。ゆっくり寝てくれ。なんか要るもんあったら持ってく。』と来た。…顔合わせるのは恥ずかしいので、遠慮したい…。

兄さんからは『公欠扱いで処理する。医者はいるか?』と来た。ただの寝不足だから大丈夫と返したら『子どもが寝不足で倒れるのは大丈夫な事じゃないの!』と般若のスタンプつきで返ってきた。

誰のせいでしょうか?と打てば土下座スタンプがきた。

ああ、そうだ

今年は夏休みに予定を入れたいから融通してくれ。

『また仕事じゃないよね?』と疑われたので

バイトして、その金で出かけてみたいと言えば。

ようやく学生らしい事する気になったの!?何?何するの?海?キャンプ?花火?したいと思った事はしたらいいからね!

レセプションも俺が変わるから!俺も学生時代ね?と長文が返ってきた。

辟易して流してたら

『恋人の紹介はしないの?』

…。は?何?誰が誰の?

『椎名くん見た目も良いし、行動力とか親父が好きそうなタイプだから気に入られそうだよねぇ!次の集まりに連れて来たら?ちぃにご飯作ってあげてる人がいるよって言ったらさ、母さんも気にしてたよ?』


…。プルルルル…

「要らんこと言ってんじゃねぇよ!!彼とはそんな関係じゃねぇんだよ!」

『えっ!まだ片想い中だったの!?ごめん!だって椎名君も否定しなかったし、ご飯食べたことあるって言ってたからてっきり!気まずくなっちゃった?ホントごめん!』


…否定、しなかった?俺と恋人関係なのを?…。

いやいや!作戦の為にそう見せてたし、どうせ兄さんが畳み掛けて否定しきれなかっただけだろ。うん。

「…。とにかく!夏休みは自由にするから!」



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