12月 帝国宮廷魔導師
まずノウン様の最近のご様子を報告いたします。
朝はメイドに起こされる前に起床して、自然魔力を引き寄せております(魔力制限の仕掛けは外しております)その後は果物とパンの中心の朝食(手を使う様になりました)その後は数学と言語の勉強(「はい」、「いいえ」の質問形式ですが)昼食(サンドイッチなどです。)運動療法(体をほぐす体操中心です)と魔力制御の訓練です。
当初は体力作りと精神回復中心に考えて居たのですが、こちらの予想以上にノウン様は肉体も五感も生活も全てを魔力で全てを補って居るので、ノウン様の魔力を把握するためにあって先に魔力制御の訓練をすることになりました。
この訓練には皇子殿下も一緒に参加することになりました。ノウン様の魔法を間近でご覧になりたいそうです。
他にも目的がありそうですが、皇子殿下はご機嫌な様です。
訓練方法は自身に有る魔力を把握、実感するために魔力を視覚化目に見える形にする必要があります。
魔力に反応する特殊な水を使って魔力を視覚化実体化させます。様々な形にできるので、魔力操作の訓練にうってつけです。
魔力で色んな形にできるのが面白いのでこの訓練は好評です。
さて、皇子殿下とノウン様のご様子は
皇子殿下は優美で繊細な魔力操作で花や小動物や小鳥などを作って楽しんでおります。実際の生き物の様に動かしております。
器用な方です拝見する限り、皇族らしく礼儀正しく優雅さを思わせる方ですが、年相応の笑顔を見せておられるので安心します。
ノウン様は、魔力を布状にして体の周囲を規則正しくくるくると動かしております。ずっとくるくると何かを確かめる様に・・・
皇子殿下がノウン様に魔力をぶつけてキャッチボールを始めました。コントロールが上手いですね。
殿下は笑っておられますが、ノウン様は無表情です。・・・・
殿下は魔力を犬に変えてノウン様に向けました。ノウン様は相変わらず無表情ですが、横から入って来た魔術により弾かれました。
「ブラオ兄様!」
「ヴィオか!いきなり怖いぞ」
「ノウンに何をしようとしたのですか!」
「彼は素晴らしい魔力を持って居ると聞いたからね。こうやって試してみたんだ!」
「ノウンを襲おうとしましたね!」
「そんな顔するなって、試しただけだよ」
「ノウンに何かしたら!
「おお怖い怖い睨むな、お前の大事な友達とやらに変なことはしないさ」
「ノウンに近寄らないで下さい!」
「怖い怖い」
と第九皇子で在らせられるブラオ・紺碧・エーデルシュタインは帰られました。
ノウン様を巡って皇子間で争いが有るようです。
ヴィオレット皇子は王国から連れ帰ったノウン様に執着していると聞きます。噂では同性愛傾向が見らると
ブラオ様は何か有るたびにヴィオレット様に関わるものに干渉しております。
・・・何か起こりそうで、注意が必要です。