9月 帝国医師の診断
ノウン様の診断結果
ヴィオレット殿下が連れてこられたスピリトペトル王国の侯爵子息の健康診断の結果をお伝えします。
本名はノウン・・・家の名前はここでは控えさせていただきます。
表向きは長男として産まれましたが、病弱なので後継は妹君になるそうです。
しかし事実は、前当主(つまりノウン様のお祖父様ですね)が彼の息子(ノウン様のお父様ですね)に高魔力保持者の娘との間に産ませた子供です。なんでも無理やり薬を飲まされて・・・なので父親にとっては望まれた子供では無いそうです。
産んだ女性は産褥で亡くなった様です。
前当主が亡くなったあとに前々から交際して居た女性と結婚して産まれたのが妹君で、たいそう可愛がられて居るとのことです。
まあ、取り返させる心配は無い様ですね。
身長と体重は平均より少ないですが、歯はと髪はしっかりして居るのでキチンと食事は採れて居た様です。
健康状態が出ますからね。
体の筋力が少ないのは魔力、体内魔力「オド」で体を動かして居たからでしょう。筋力をつけるために運動をと言いたいところですが、
問題の高魔力ですが、想像以上のものです。彼は五感の全てを「魔」で補っております。
例えば、眼は机の上のちりから空を飛ぶ鳥の羽まで見え、耳は部屋の外のひそひそ話も聞こえるでしょう。
ただその為、感覚が過敏になっており、刺激には弱い様です。
体に触れられるのが苦手なのはその為でしょう。
外からの刺激から体を守る為に常に体の周りに魔力で防御壁を張っている様です。
魔力で全部を把握する癖がついて様なので、「自然魔力」を規制する仕掛けを部屋に仕掛けました。今は慣れない様ですが、これで体を動かしたり、周囲との交友をとってくれると考えます。
ご存知だとは思いますが、人が体内に持って居る魔力を周囲に漂って居る自然魔力を引き寄せて組み合わせると魔術が使えます。
ノウン様はこの前段階で止まっております。魔力と自然魔力の組み合わせ方が分からないのでしょう。
学園ではそこまで詳しく教えられなかったのでしょう。
それとですが彼は男性でも女性でも有りません両性具有です。
男性器と女性器を持って居ます。
今の所どちらのものも機能しておりませんが、今後その辺の指導も行なっていくつもりです。
実際の両性具有との設定とは違う様にして行きます。