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天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します  作者: バナナ男さん
第十九章

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711 メロメロですから!

(リーフ)


ドロドロ真っ黒けっけ〜の二人。

どうやら本日も、元気よく森中を駆けずり回っていた様だ。


そんな二人を黒みつに出してもらった泡でワッシャワッシャと洗い、そのままお風呂へ投げ入れると、二人は気持ちよさそうに浮かんでいた。


それにニッコリ笑いながら、そこら中に雲のようにモコモコ残っている泡を両手に装備し、すかさずレオンへ〜〜〜〜攻撃開始!



────ペチッ!!スリスリスリ〜……!!


泡でレオンの硬いお胸やお腹を洗ってあげると、レオンは嬉しそうに俺を見下ろす。


まだまだ余裕の表情に、『くそ〜!』と悔しさを滲ませながら攻撃を続けたが、レオンは緩く微笑んだまま俺の二の腕を掴み……。


────スイ〜……。


俺の二の腕を、優しく撫でてきた。



「あ”あ”あ”あ”あ”〜〜〜…………!」



ヘロロ〜ン!!


体から力が抜け、フラフラ足元がおぼつかなくなると、直ぐにレオンが俺の腰を持って支えてくれる。


そして力が抜けてしまった俺を嬉しそうに見下ろしながら、全身を優しく洗うウォッシングを開始!



「……むひょ〜……ぃぃぃ……。」



これがもう、本当に凄い!!

まさにこの世の天国!



その物凄いテクニックに、駄目駄目おじさんの俺の体は、全身骨抜きどころかスライムになってしまった。



「ありがとう……。」



最高に気持ち良い指づかいで全身を洗ってくれるレオン少年に、それくらいしか言える事がない。



レオンのマッサージスキルはどんどんとレベルUPし、今やゴットハンドレベルへ。


優しいタッチ、そしてゆっくりかと思えば急に早く!と強弱を使い分け、時に激しい動きに〜適度なツボ押し!


思わず「はうぅぅぅ〜〜っ!!!」という悲鳴に近い声も上がってしまうほど、本当に気持ちいい。



流石にこれはまずい!と危機感を感じ、毎回先程の様に先制攻撃を仕掛けているが、今のところは完全敗北中……。


こうして赤ちゃんの沐浴の様にレオンに洗われてしまう日々なのだ。



「……ぐっ……ぐぬぬ……!」



おジジのなけなしのプライドから、力と理性を振り絞りレオンの肩や頭に泡をコシコシと撫でつけたりはするが……。


────スリリ〜ン♡


お返しとばかりに全身撫でられてしまえば、そんなプライドは遥か彼方まで飛んでいく。



と、とうとうここまできたか……。

お風呂すら自力で入らなくてもいい日々に……!



それはもう少し歳をとってから〜!と必死に自分で洗おうとした事もあったが────その際は物凄い力で床に押し付けられて、そのまま手首を床にバッチリホールドされてしまった。



「????」


その時はちょっとしたサスペンスドラマの様な状況に驚き『何々〜?』と、呑気に上を見上げたのだが、そこにあったのは完全なる無表情のレオンの顔。


思わずヒョヒョっ!!?と変な声が漏れた。



「どこが駄目でした?」


「なぜ逃げるのですか?」


「他に誰か洗って欲しい者でもいるのですか?」


「……そいつにこうやって気持ちよくしてもらうんですか?」



静かに淡々と喋るレオンは非常に怖い。


レオンのお仕事スイッチ押しちゃった〜押しちゃった〜♬と焦りながらも、とりあえず首を振る。



「いや、自分で洗おうかなっていうか……。」


「レオンは完璧!天才!最強!一番!」


「いや、もう、気持ちよくて気持ちよくて!え〜と……その……あっ!!これが噂の『快感落ち』ってやつ〜?」


「 俺の体はレオンにメロメロ〜!なんちゃって! 」



そして結局は下ネタに走って、この場を濁そうとした。


これはおじさんなら誰でも持ってる悪癖で、俺の得意技の一つ。


それを披露しながらオドオドビクビクしていると、レオンはニヤッと笑う。



「完全に落ちました?」



なんと、まさかの下ネタに乗ってくる素振りを見せてきたのだ!


これにはおじさんはビックリおったまげ!!

少し前まで、下ネタしか言わないドノバンにバンバン攻撃していたのに……?


成長を感じて、思わずしみじみしちゃったよね。

しかし、下ネタならまだまだ一年生……いや幼稚園児のレオンにおじさん負けないぞ〜?



「ズッブズブだね!」



とりあえず下ネタ返しをお見舞いすれば、レオンはクッと小さく笑いをこぼす。



「じゃあもう生きていけませんね?」



今度はそう言い放ち、ゆっくり俺を押さえつけていた手を外してくれた。



『快感に忠実なスケベキモキモおじさんめっ!』


『そんなだらしないと、もう生きていけないんじゃないの〜?』



ガガ──ン!!


レオンに言われたセリフに大ショックを受け、横たわったままプルプルしていると、レオンは強く押さえつけられ赤くなってしまった俺の手首を優しくスリスリと撫で、そして────……。



「可哀想。」



最後にそう静かに呟いた。



ズガガ────ン!!!


「…………っ……!!」


とてつもないショックを受け、ガクガク震えながら半分気絶していると、レオンはそんな俺を満足そうに見つめながら、嬉しそうにマッサージを続けた。


何となく気分は浮気現場を子供に見られた父親の気分というか……とにかくもう、ショック!ショック!ショック!


そのため、おじさんの特性『忘れる。そして流す。』が自動発動し、今の今まで自分で洗う事は放棄。


よって、レオンには毎日専用マッサージ師として存分に働いて貰っている。



「……流されてるぅ〜。」



自分の高すぎる順応力と図々しさ、太々しさにシクシク泣いていると、レオンに優しく泡を流された後は、そのままお風呂へ運ばれそのまま浸かった。


目の前にはプカプカ〜と浮かんで楽しそうなあげ玉と黒みつの姿がある。


そういえば二人共、今日も随分汚れて帰ってきたな。


ふと気になって「ねぇねぇ二人共今日も何か拾ってきたの〜?」と尋ねてみた。



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