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天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します  作者: バナナ男さん
第二章

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67 新たなる目標

( リーフ )


物語の中のリーフの資質は【 魔術騎士 】という上級資質だった。



簡単に言うと、剣も魔法もオールマイティーに使える万能タイプの戦闘資質で、前衛だろうが後衛だろうがどちらもこなすことが出来るよ!という貴重な戦闘資質である。


そのため戦い方は、本人の性格やお好みにより様々。


ちなみに俺ではないリーフの方は、魔法に偏った戦い方をするタイプで、物語中でもレオンを囮として前衛に立たせては、後衛でバンバン高火力の魔法を打っていた。



外見は違えど資質が基本遺伝することを考えれば、俺も【 魔術騎士 】になるはずだが……ただ気になるのはレーニャちゃんが言っていた言葉だ。



” < 資質 >とは、いわゆる、魂が本来持っている才能の事です。 ”



それを考えると、本来のリーフの魂ではない俺は、当然違う資質になるのではと思われる。



しかし────ここである仮説が頭の中にプカプカと浮かんできた。



もしかして、俺の魂自体に【 魔術騎士 】の才能があったから、リーフになったのではないか?



あくまで可能性の話だが、その線も大いにあるのでは?と思っている。



つまり、生まれ変わる先は、自動的に自身の魂の才能を生かせる肉体が選ばれるのではないかと、そう考えたのだ。


つまりは前世の記憶を持たぬまっさらな俺の資質は、なんと【 魔術騎士 】!



この平々凡々な外見でまさかの上級資質……と、ちょっと信じられないが、そう考えると大筋が通る気がする。



「 最初から大幅なズレが生じちゃったからなぁ……。


全部手探り状態だ。 」



考えていた事をボソッと呟いたせいか、レオンが一瞬止まったので慌てて口を閉じた。


すると、命令ではなかったと思った様で、またスタスタと歩き出してくれてホッとする。



とりあえず、今はそれを信じて物語通りの最強の悪役になるため、ひたすら鍛えるしかない。


ただ、もし本当に俺の資質が【 魔術騎士 】だったとすれば……俺に物語の中のリーフと同じ戦い方は無理そうだというのも理解した。



頭の中で、カッコよく魔法を使う自分の姿に大きなバッテンマークをつけて、前世の記憶に想いを馳せる。



俺、あのシューティングゲームっていうの?銃で撃つ系のゲームが致命的に下手くそだったんだよね〜……。



ハハッ!と笑いながら、それが決定打になった出来事を思い出してため息をついた。



以前孤児院の子供たちに、ゾンビを撃つゲームをやらされた時の事だ。


ゾンビに向けて撃ったはずの弾は、全て外れてゲームオーバー……難しすぎて弾の補充すらできなかった俺を見て、子供たちは呆れ100%の顔で俺を見る。


その事から ” 迷子銃士 ” などという不名誉な名前をつけられてしまったのだ。



魔法は当然、それを敵に当てないとならないため迷子銃士には無理……。


それに、性格的に頭脳タイプではないこともよ〜く分かっているため、俺は物語のリーフとは逆の、前衛メインの【 魔術騎士 】を目指そうと考え、グッ!と拳を握った。



もともと柔道は高校を卒業するまでずっとやっていたし、体も鍛えるのが好きだったから、前衛の方が馴染みがある。


もちろんそれを理由に、魔法に関して手を抜くつもりはないので、” 迷子銃士 ” から ” お散歩銃士 ” くらいにはレベルUPしたい。



「 前衛メインの……でも魔法も使う系の……。 」



ブツブツ呟きながら、右手に剣、左手に魔法……というスタイルで戦う自分を妄想してみたが、まだしっかりとしたイメージは湧かずに頭を横に傾けた。



戦闘スタイルはまだハッキリしないが、とにかく最短距離で誰よりも強くならなければ悪役失格、ひいてはレオンを強くすることも出来ず、途中でバット・エンド……!


それだけは絶対に阻止せねば!



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