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141 中学院について

( リーフ )


「 まぁ、合格できたらの話だけどね! 」



俺とレオンは4月半ばから始まる中学院に進学するつもりなので、来週の4月の始めにある入学院試験を受ける予定だ。



中学院は、上級資質持ちなら学費は全額免除。


つまり俺はテストに受かれば、コレに該当することになる。



更に成績が上位3位以内に入れば< 特別免除学生 >となり、在学中の学費とその他全ての経費が免除されるため、資質不明で登録するレオンには、コレを目指して頑張ってもらいたい。



このほかにも上位10位以内の生徒は半額免除や、試験に合格した者全員に無利子、無期限の借金制度などなど……。


中学院は、これでもかというほど、実力を持つもの達を優遇する制度が沢山ある。



それは何故かというと、実はこの中学院の全権限を持つのがこの国の第二王子< アーサー >だからなのだ。



俺はアーサーという青年について考え、グフフっと笑いながら拳を握った。



この人物こそ、物語のなかでたった一人レオンハルトに手を差し伸べた人物で、爵位という身分を重視するこの国で唯一実力を重んじると公言している人物でもある。



今この国には、王族ファミリーは王様を除いて三人。



第一王子< エドワード >



第二王子< アーサー >



そして物語でレオンハルトとちょっといい感じになる第三王女 < ソフィア >だ。



そして、この国の基本形態は王政。


ただ少し変わっているのが、王と王の子どもたちによってその権力が分権化されている事だ。



エドワードは、王宮第一騎士団と高学院の全権限。



アーサーは、王宮第二騎士団と中学院の全権限。



そしてソフィアは、イシュル教会と小学院の全権限を持ち、それぞれの思想に基づいた政策を立てている。




エドワードは " 血筋こそが全て!完璧な身分至上主義万歳! " を貫いている人物で、物語上では王族と貴族以外は家畜と言い切るほど、極端で残忍な性格をしていた。



そんな思想の元、管轄されている第一騎士団は貴族しか入れない。


エリート意識も高い彼らの仕事は主に王族や貴族の要人の警護や、降りかかる様々なトラブル全てを解決することで、それに平民の救助は含まれず、高学院も王族と貴族しか受験できないようになっている。




対してアーサーは、王族だろうが奴隷だろうが、やる気と実力がある者を評価する実力主義を掲げていた。


そのため、その思想を受けた第二騎士団は、身分に関係なく入団試験に合格すれば、誰でも入ることができる。


その仕事内容は人々の驚異となるモンスターや盗賊の討伐など、危険と判断した場所になら何であれ向かうし、中学院もそんな実力主義の元、実力とやる気ある若者には手厚いサポートをしてくれているというわけだ。



こんな正反対ともいえる兄二人に挟まれているのが、末っ子長女のソフィア。



彼女は、困っている人がいたら助けましょう、皆んなで助け合って生きていきましょうの博愛主義者。


これは現在の国王も同じ主義を掲げており、物語上の二人はとてもそっくりの性格をしていた。



そんなソフィアは、その精神に基づき、" どの様な者にも救いの手を " がモットーのイシュル教会と、それに付属する孤児院や治療院などを総括し、集められた寄付金から誰でも平等に学業の機会を得ることができる小学院を運営している。



こんな三者三様の思想を持って納められているアルバード王国だが、この三つの派閥は現在拮抗しているため、今のところ大きな争いは起きていない。



しかし、人数的に圧倒的に多いのがエドワード派閥で、この国のほとんどの貴族達は、この派閥に所属している。



ちなみにメルンブルク家も漏れなくエドワード派閥。


しかもそのトップ、かつやる事がとっても派手な過激派なため、様々な場所で争いの種を撒き散らしている様だ。



「 …………。 」



遺伝子的には一応両親である二人のイタタな武勇伝?を思い出し、恥ずかしくて目元を覆ってしまった。



そんな貴族間でもやもや〜とした空気が漂う中、現在アーサーは様々な見解を広めるためという名目で、異国の地へと旅立ち、あと四年くらいは帰ってこない。



物語上では、その間にエドワード派閥はさらに勢いを増し、このまま他の派閥を潰すのか?!というところまで来て、それに待ったをかけたのが────……。



< イシュル神の神託 >と< 英雄レオンハルトの出現 >だった。



そのせいで、エドワード派閥は一時的に引っ込むしかなくなってしまったのだ。



アーサーが物語に沿って現在いないことからも、この流れは多分変わらないはずなので、俺がアーサーに会えるチャンスは高学院に入学後ということになる。



アーサーはレオンハルトの次に尊敬する人物だったので、その時が楽しみだ。




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