詩集
『狼少年の夢』
僕は漢字が書けるんだ
誰よりもお前よりも
僕は数学ができるんだ
誰よりもお前よりも
僕は英語ができるんだ
誰よりもお前よりも
僕には知識があるんだ
僕には夢があるんだ
僕には力があるんだ
僕には愛がないんだ
『寝顔』
その閉じた目は
いったい何を見てきたんだい
山の中転げ回る君は
帽子をかぶって
山を駆け抜ける君は
蝶を戯れて
草原の中で
僕の知らない遊びを
その閉じた目が
いつか開くときがあるのなら
僕もいっしょに
『実験室の花』
実験室の花は今日も気づかない
無邪気に今日も笑っている
まるで自分を野に咲く花だと思っているように
実験室の中の実験室の花を見て
実験室の中の花は臆病だと笑っている
自分が実験室の花だと気づかずに
『愚か』
2010年の僕は愚かだった
今あるしあわせにまったく気づいていない
いつも後ろばかり見ている
そして今あるしあわせに終わってから気づいてきっと後悔するんだ
僕は去年に戻りたい
2011年の僕は愚かだった
今あるしあわせにまったく気づいていない
いつも後ろばかり見ている
そして今あるしあわせに終わってから気づいてきっと後悔するんだ
僕は去年に戻りたい
2012年の僕は愚かだった
今あるしあわせにまったく気づいていない
いつも後ろばかり見ている
そして今あるしあわせに終わってから気づいてきっと後悔するんだ
僕は去年に戻りたい
2013年の僕は愚かだった
『僕を見て』
ここは平和だ
みんな何も困らない
でもぼくは平和じゃない
だからさ
そんなに遠くじゃなくてさ
こっちをみて
『じから』
字から書けない
時から頑張る
児から仕方ない
寺でも仕方ない
地から腐ってる
辞からできない
痔から直さないといけない
次から心を入れ替える
路から迷っている
『時間』
僕の時間は15歳、
僕の時間は15分の1
君の時間は7歳
君の時間は7分の1
時ってどんどん短くなっていくんだ
君とってはとっても長い時間でも
僕にとっては一瞬なんだ
わかんない
だったらいいよ
『果実』
君が愛をくれました
一つは赤くてりんりんとしていて
一つは青くてりんりんとしていて
どちらもとてもきれいでした。
でもどちらにえらばないといけませんでした
どちらにしたらいいでしょう
どちらをえらんでも
どちらをえらんでも君がいました。
『今は腐ったトマト色』
今は腐ったトマト色
いつかは動いていたのだろうか
いつかは輝いていたのだろうか
それはもう過去の話
今は腐ったトマト色
あれはきっと誰かの憧れだった
あれはきっと誰かの夢だった
それはもう過去の話
今は腐ったトマト色