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第4話 レベルアップ


【リトルインフェリアタッドポール:♂のレベルが上がりました】


【スキル『早熟』が適用されます】


【種族レベルが5になりました】


【『鑑定』のレベルが7になりました】


【『毒耐性』のレベルが4になりました】


【『噛み付き』のレベルが3になりました】


【『体当たり』のレベルが3になりました】


【『毒攻撃』のレベルが2になりました】


えっ、おいおいちょっ、ちょっと待てよ!


なんか急に一気に色んなもののレベルがめちゃくちゃ上がりすぎじゃない?


『鑑定』なんて一気見をしても中々上がらなかったのにも関わらず、一気に2つも上がってるし。


あまりの情報量の多さに思わず混乱しかけた。


ひとまずは『鑑定』を利用して自分のステータスを確認してみる。


すると、


【ステータス】

種族:リトルインフェリアタッドポール

性別:♂

HP:7/9

MP:6/6

SP:3/7


レベル:5

ATK:5

DEF:5

INT:14

MND:5

SPE:7


スキル:

『鑑定 :レベル7』

『毒耐性:レベル4』

『噛み付き:レベル3』

『体当たり:レベル3』

『毒攻撃:レベル2』

『早熟 :レベルー』

『水棲 :レベルー』


という表示が出てきた。


なんかめちゃくちゃステータスの表示が増えてる。


とりあえず新しく増えたスキル欄を更に鑑定する。


『鑑定』・・・物の情報をステータス的に閲覧するスキル。レベルが上がるほど、見ることができる情報量が解放される。

レベル1 物体の名前を表示

レベル2 物体の性の表示

レベル3 鑑定方法の多種化

レベル4 多重鑑定の可能

レベル5 自身のHP・MP・SPの可視化

レベル6 自身の身体パラメータの可視化

レベル7 自身のスキル欄の可視化

レベル8 ー

レベル9 ー

レベル10 ー


『毒耐性』・・・毒属性の攻撃ダメージを軽減する耐性スキル。また《状態異常:毒》になる確率を減少させる。レベルの高さとその効果の高さは比例する。

ダメージ量=本来の毒属性攻撃ダメージ×(1ー0.05×毒耐性レベル)


『噛み付き』・・・相手に噛み付いてダメージを与える攻撃スキル。属性ダメージにボーナスあり。属性ダメージのボーナス量はレベルの高さとに比例する。


『体当たり』・・・相手に突進してダメージを与える攻撃スキル。まれに相手をひるませることがある。その確率はレベルの高さに比例する。


『毒攻撃』・・・攻撃に毒属性を付与させるスキル。相手への毒属性攻撃ダメージ量と相手を《状態異常:毒》にする確率はスキルレベルの高さに比例する。


『早熟』・・・低級種族モンスターの幼体のみが保持しているスキル。得られる経験値を上昇させ、またレベルアップ時にそれまでに行ったスキル熟練度をレベルアップの分だけ上乗せする。


『水棲』・・・水中で生活する種族が持つスキル。水中でも自由に動き回ることができる。


スキルを一通り鑑定してみたが毒関係についてもう少し詳しく知りたかったので、更に鑑定してみる。


ゲームとかも毒の扱いは割とそれぞれ違うからなぁ・・・。


「毒属性」・・・属性の一つ。相手を弱らせる効果を持ち、たまに《状態異常:毒》にする。


《状態異常:毒》・・・時間の経過毎に一定ダメージを与える。一定時間が経つまたは解毒薬を摂取することで回復する。HPやレベルが高いものほどその時間は短く、毒状態にもなりにくい。


なるほどそういうタイプの毒ね。


理解出来た。


そしてどうやら『鑑定』のレベル7で自分のスキルが見えるようになったらしい。


これでだいぶスキル管理がしやすいようになったかも。


今まで二重にしか鑑定出来ないと思っていたが(そもそもそんなに鑑定するものがなかった)、何重にもできるみたいだ。


まっ、便利な分にはいっか。


問題はこいつだ。


『早熟』。


経験値と熟練度に大幅ブーストとかゲームであったら即ぶっ壊れ案件だ。


スキルのレベル上げは序盤の方は良いものの大抵は後半バカしんどくなる。


育成系方面ではまさにチートに近い。


通りで中々レベルの上がらなかった『鑑定』のレベルが上がるはずだぜ。


なんせ一気見を含めた熟練度分をおおよそ四倍分ブーストしているんだからな。


・・・いやでも、低級モンスターの幼体にのみって書いてあるから一応バランス自体は取れてんのか?


弱いモンスターがちまちま成長していたらそれより強いモンスターに簡単に潰されてしまうだろう。


『早熟』が脅威たらしめているのは、俺が転生者でゲーム的思考を持っていることと、何故か俺が『鑑定』なんていうスキルを初期搭載しているからだ。


説明文的に幼体を脱してしまったら消えてしまうのだろう。


それまでに熟練度を上げて是非ともスキルレベルを少しでも上げて起きたいところ・・・だ・・・・・・。


・・・・・・・・・。


ちょっと待てよ。


この『早熟』スキルは俺だけの特典っていうわけじゃない。


雑魚MOBの幼体なら等しく持っているということが『鑑定』から見て取れる。


俺はまだほんの少ししか散策していないが、この場所に今のところ俺と同格以下の生物は確認できていない。


そんな中で俺がレベル上げできる相手といえば?


さっきも経験したマイブラザー達との戦闘のみなのでは?


しかしマイブラザー達は等しく『早熟』スキルを所持していることがたった今判明した。


つまりたった数回の勝利数が大きな差になる。


馬鹿野郎が!俺の最適解は生まれてすぐにどの兄弟よりも早く、他の兄弟を倒して強くなることであったのだ。


俺は人間だった時の倫理観的に捕食対象からいつの間にか兄弟達を外してしまっていた。


だが俺はもうとっくに人間じゃない。


ここは自然界だ。ここでは同種食いや、共喰いはよくある事象のひとつなのだ。


サバイバルを舐めすぎていた。


同じ種族なのに、元人間だからってオタマジャクシを見下していたに等しい。


あれほどの数のオタマジャクシが一度に生み出される意味をもっと考えるべきだった。


マンボウの事例をなまじ知っているだけに、外敵や死因が多いのだと勝手に思っていた。


もちろんそれもあるだろうが、ここが異世界であり、レベル制の世界で、『早熟』を持っているのならば話が違ってくる。


お互いがお互いの成長するための素材なのだ。


数十万匹の中でたった数匹残るだけで、種としては良いのだろうから。


もちろんこの仮説が間違っている可能性もある。


あんだけでかい生物達がゴロゴロ棲んでいる場所だ。


ほかの種族で俺と同格以下のやつもいるかもしれない。


でも俺と同格以下だとしたら、そいつらも『早熟』を持っている可能性がかなり高い。


となるとどのみち時間が空けば空くほど俺が不利になることに違いはない。


何が「お前の分まで生きるから」だ!感傷にひたってんじゃねぇぞ!?


何様のつもりだよ!!もう俺は人間だった時の感覚を一旦捨てなきゃいけない。


どんな手段を選ばれようと、元の世界に戻るために生き抜いてやる。


それがやれないで、自然を語る資格なんてないだろう。


そうして、 俺は自分が生まれて来た場所へ急いで向かう。


少しでもレベルを上げて生き残る確率を上げるために。



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