第17話 休憩中に・・・
ちらっと自分のHPバーを確認してみると、
HP:12/430
危ねー!先にゲンゴロウの方に行っておいて良かった〜。
でなかったら、削り切られて死んでたの俺じゃん。
ぜェぜェ息を着きながら、身体に刺さった「ポイズンランス」をゆっくり引き抜く。
うっ、痛いな。
こんな身体に穴が空くような怪我なんて今までしたことがなかったけど、めちゃくちゃ痛い。
血管の一本一本が感じられるほど血液が早く回ってる気がする。
早く止血しないと!
【ポイズンタッドポール:♂のレベルが上がりました】
【スキル『早熟(微)』が適用されます】
【種族レベルが33になりました】
【『猛毒耐性』のレベルが8になりました】
【『体術』のレベルが7になりました】
【『吸精』のレベルが9になりました】
【『猛毒攻撃』のレベルが9になりました】
【『毒生成』のレベルが9になりました】
【『毒魔法』のレベルが6になりました】
【『隠密』のレベルが5になりました】
【『危険予知』のレベルが5になりました】
【ステータス】
種族:ポイズンタッドポール
性別:♂
HP:132/550(+120)
MP:209/567(+120)
SP:196/548(+120)
レベル:33(+12)
ATK:386(+96)
DEF:386(+96)
INT:426(+96)
MND:386(+96)
SPE:557(+120)
スキル:
『鑑定 :レベル9』
『猛毒耐性:レベル8(+2)』
『吸精:レベル9(+1)』
『体術:レベル7(+1)』
『猛毒攻撃:レベル9(+1)』
『毒生成:レベル9(+1)』
『毒魔法:レベル6(+1)』
『隠密:レベル5(+1)』
『危険予知:レベル5(+1)』
『早熟(微) :レベルー』
『水棲 :レベルー』
『陸棲(微) :レベルー』
き、今日は疲れたー!
本当は一日に一体ずつ倒すつもりだったのに、まさかの2連チャンとは・・・。
しょうがないと言えばしょうがないないが、疲労で全身がダルい。
でも、そのおかげで大分レベルが上がってステータスも上昇したな。
『体術』、『毒魔法』と『隠密』ではそれぞれ新しい技を入手した。
本当は『体術』・『毒魔法』はゲンゴロウの時点で入手していたんだけれど、使うタイミングがなかった。
それぞれ紹介していくと、
『体術』
レベル5 掌底
手のひらを相手に当て、衝撃を伝播させる技。貫通ボーナスあり。
『毒魔法』
レベル5 ポイズンミスト
毒を霧状に変化させて、周囲へと散布する。
『隠密』
レベル5 索敵
自分の周囲を探る。
『体術』で貫通ボーナスのある技が追加されるのは嬉しいな。
「ポイズンランス」は他の『毒魔法』の威力を落として範囲を広くしたタイプだろうか。
今回のメダカ戦では使わなかったけれど、今後の戦術の幅がかなり広がる技だな。
「索敵」は俺が一番欲しかったスキルと言っても過言じゃ無いかもしれない。
メダカとの遭遇時にも、これがあれば存在に気づけたかもしれないし。
そうなるとあんな危ない戦法を取らずにもっと他の色々な戦法を試せたかもしれない。
かもしれないなんて仮定のことばかり気にしてもしょうがないか。
もう今日は寝ます!
おやすみ〜。
■ ■ ■ ■ ■
心地よく寝ていたのだがビービーとアラーム音のようなものが聞こえる気がする。
目覚まし時計をセットしてたんだっけ?
早くしないと学校に遅刻しちゃうってあれ?
俺って異世界に来ちゃったんじゃなかったっけ?
とするとこの音は一体なんなんだよ。
寝ぼけ眼を懸命に瞬きしながら開くと、そこには大きな口が俺を今にも食らわんと広げていた。
わ、わ~っ!!
慌てて飛び起きて、そこから脱出する。
大きな口に飲み込まれる前に間一髪その場を離れることが出来た俺は、今まさに俺を食べようとしてきた相手を見てみる。
【ステータス】
種族:ジェノサイダーウォータービートル
性別:♂
HP:1226/1226
MP:333/333
SP:872/872
レベル:5
ATK:720
DEF:1099
INT:458
MND:458
SPE:797
強っ!なんだこいつ!?
見た目はゲンゴロウを一回り大きくした感じだが、そのステータスが比べると段違いに高い。
名前的にみてキラーウォータービートルの上位種か?
それが一体何で?何で俺を襲おうとしてくる?
・・・まさか昨日の殺した雌の番いなのか?
卵があったって事は繁殖相手が居たわけだし。
っく、こちらに向かって突進してきた。
めちゃくちゃ速くて避けられない。
答えが出ないことに気を取られている場合では無いな。
「ぶちかまし」を斜めから当てることでなんとか攻撃をそらす。
まともに当たったわけじゃないのに一割くらいHP削られた!
どうやって対処すれば良い?逃げるか?戦うか?
考えがまとまらない!
そんなときのことだった。
鋭い一閃が目の前の巨大なゲンゴロウの脚の一本を切り落とした。
【ステータス】
種族:サーベルテイル
性別:♂
HP:345/345
MP:458/458
SP:438/443
レベル:4
ATK:1360
DEF:239
INT:569
MND:423
SPE:999
とっさのことに言葉出てこないのだが、その間にゲンゴロウの脚が新しい物に生え代わっていた。
うげっ、こいつ再生能力も持っているのか。
ていうか感心している時間なんてない。
今度はメダカの上位種なのか!?
尻尾の形状が普通のメダカよりも一層すらっとしていて、その輝きは怪しく反射している。
うん、切れ味も普通のよりも鋭そうだな・・・。
理由はどうあれ俺はここの環境トップの更に上位種2匹、すなわち実質この場所においての帝王といってもいい存在を同時に相手にしなきゃいけないってことか。
おいおい、マジかよ。
今までも絶対ピンチの状況は何回かあったけどこれはその中でも群を抜いてやばいだろう。
いくらレベルアップしたいからといってこの状況じゃ逃げの一択しか取れないぞ。
だけどもこの2匹はお互いを牽制しあってはいるもののこちらへ向ける視線を離そうとしてくれない。
狙いは俺って事?これじゃ逃げられないぜ。
まともに戦ってたら勝ち目なんて無い。
この場に2匹いるということを逆に幸運に思おう。
さっきまでのゲンゴロウ1匹だけの方がやりようが無かった。
メダカとゲンゴロウ、お互いがお互いの不確定要素になり得る存在、そこに掛けるしか生き延びる術はない。
最近気が抜けない事態が多すぎやしないか?
これがサバイバル、自然界を生き抜くって事なのかな?トホホ・・・。