表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

13/70

第12話 強敵②




今まで集団で狩りをしていたときは余程うまくいっていたのだろう。


思わぬ俺の反撃に対して連中は動揺もあるが、予定通りに動いてくれない俺に殺気立っていた。


そう世の中はうまくいかないもんだよ、なんて世の中をたいして生きてない俺が言うのもなんなのだが、こいつらは絶対的優位だと思っているだろうが実際はそうではない。


このしびれ草の群生地域においてある特徴を持ったやつらは少ない数しかいないということは、最初に探索したときから気付いていたのだ。


そのある特徴とは、群れを成す生態を持った生物と俺自身よりも体が大きい生物である。


しびれ草の群生地域に生息する生物のほとんどが一匹狼で、なおかつ俺と同等かそれ以下の体格を持つ生物ばかりだった。


例外でいうと群れる生物の方はグッピーのような見た目のめちゃくちゃ小さな魚型モンスターのみ。


体格が大きい方の例外は、ミジンコ野郎、ドジョウ野郎のおなじみの二匹に加えてゲンゴロウ型のモンスターが該当する。


次々と俺の兄弟達が襲いかかってくるも中々俺の事を仕留められずにいる。


こいつらの作戦が悪いとは全く思わない。


現に死にかけてはいたし、今も油断をすればすぐにでも死にそうなのだから。

だが決定打にはなりえない。


たまに攻撃は当たるものの、反撃の『吸精』ですぐに回復してしまえる程度の物でしか無い。


なぜならそれはこの群生地域には周りを囲んで襲えるほどの広いスペースは存在しないのだ。


そう、これこそがこの場所で群れる生物と体格の大きな生物がほとんど存在しない所以である。


しびれ草は触れただけでも麻痺して動けなくなる可能性のある大変危険な植物である。


それは普段俺らのような弱小生物を守ってくれると同時に、触れてしまえば俺らにだってその危険は平等に存在するのだ。


移動するときには狭いところでは、なるべくあたらないようにしなければならないし、寝るときも同様だ。


しかし俺らはそのリスクを了承した上で、より強敵から身を隠す為にここで暮らしている。


だからしびれ草に触れてしまう可能性を高める体の大きな生物や群れを作る生物はそもそも少ないというわけだ。


広いスペースが無い中で、襲いかかる先をしびれ草に誘導すれば、その動きは本能的に鈍ってしまう。


そこを悠々と攻撃出来てしまえるわけだ。


そしてなんといってもカエル・・・。


お前にはもうこの環境は狭すぎる。


レベル的に見ておそらくこいつは進化したてなのだろう。


まだ自分の体の大きさをあまり自覚していない状態で俺との戦闘を始めたに違いない。


それなのにオタマジャクシだった頃の体とおんなじ感覚で動くなんて、どんなことになるか火を見るより明らかなことだ。


さっきからすでに何回かしびれ草に体が触れてしまっている。


あっ、また当たった。


しかも今度は「麻痺」を貰ってしまったようだ。


急に手足がピクピクと痙攣し、体が脱力した隙を当然見逃す訳もなく、すかさず攻撃する。


他の奴らも、『体当たり』を有効的に使用して何回か「麻痺」らせる事に成功。


最初にあった圧倒的アドバンテージなんて物はすでに無く、それどころか『吸精』を


所持している俺の方が逆転しているまであった。


作戦なんて言うほど高尚な物では無いが、まあこれが一番勝率の高い戦術だろう。


ちなみにだが例外で挙げた生物達がどのようにしびれ草を回避しているかを一応説明しておくと、


ゲンゴロウ、ミジンコ・・・厚い外殻を持っており、そもそもしびれ草が体に触れること自体をそこまで問題視していない生物。


ドジョウ・・・普段は地中に潜んでいるのでしびれ草の葉に触れる機会がそもそも少ない生物。


グッピー・・・まず他の生物たちに比べても段違いで小さいので群れてもあまり影響が無いし、なんなら少しの損失なら全然気にしないタイプな気がする。


ていう感じだな。


このように例外達のように何らかの形でしびれ草に適応しなければこの環境では生きていけない。


集団で狩りをすれば相手よりも優位に立てることにいち早く気付き、徒党を組んでいたこいつらは兄弟達の中でもかなり頭が良いに違いない。


しかし、徒党を組むことのデメリットも考慮できていなかったことが敗因だ。


なによりも俺を最初の奇襲で仕留めきれなかったことがこいつらの最大のミスだ。


このしびれ草の群生地域という環境の中でも最初の1回目の奇襲は非常に有効的だ。


後ろ側から襲いかかる奴らの存在がターゲットに気付かれないのであれば、囲んで襲うという集団の利をきちんと生かせるからである。


しかしこいつらは俺の『毒生成』スキルにびびり、俺に立て直す時間を与えてしまった。


あのときに勝敗はすでに決してしまっていたのだ。


最後まで残っていた「タッドポール」が今俺の『猛毒攻撃』を受けて最後の断末魔を上げる。


ふうぅ。一時はどうなることかとも思ったけれど、なんとか勝てたな。


冷静に状況を分析して、それに則って行動できたことがこの結果になったな。


今回は普通に死んでいてもおかしくなかった。


やっぱり俯瞰的に見て行動は、スポーツとかにおいても大事って言うけれど、こういう自然界でも大事なんだな。


今後もこういう風にできるように心がけよう。


【リトルポイズンタッドポール:♂のレベルが上がりました】


【スキル『早熟』が適用されます】


【種族レベルが30になりました】


【種族レベルが最高になりました】


【進化先がひとつしかありません】


【進化先が自動で選択されました】


【ポイズンタッドポールに進化しました】


【種族レベルが3になりました】


【『鑑定』のレベルが9になりました】


【『毒耐性』のレベルが10になりました】


【『毒耐性』が『猛毒耐性』に進化しました】


【『猛毒耐性』のレベルが4になりました】


【『体当たり』のレベルが10になりました】


【『体当たり』が『体術』に進化しました】


【『体術』のレベルが4になりました】


【『吸精』のレベルが6になりました】


【『猛毒攻撃』のレベルが6になりました】


【『毒生成』のレベルが6になりました】


【『危険察知』のレベルが10になりました】


【『危険察知』が『危険予知』に進化しました】


【『早熟』が『早熟(微)』になりました】


【ステータス】

種族:ポイズンタッドポール

性別:♂

HP:190/250(+175)

MP:200/267(+195)

SP:178/248(+175)


レベル:3

ATK:146(+100)

DEF:146(+100)

INT:186(+120)

MND:146(+100)

SPE:257(+165)


スキル:

『鑑定 :レベル9(+1)』

『猛毒耐性:レベル4(+3)』

『吸精:レベル6(+3)』

『体術:レベル4(+3)』

『猛毒攻撃:レベル6(+3)』

『毒生成:レベル6(+3)』

『毒魔法:レベル1』

『危険予知:レベル1』

『早熟(微) :レベルー』

『水棲 :レベルー』

『陸棲(微) :レベルー』






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ