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第1話 異世界で誕生?

現在カクヨムでも連載しておりますが、こちらのアカウントでも少しだけ連載してみることにしました。




今日も今日とて学校に行かなくてはならない。なんで学校に行く必要があるのだろうか。


うちの両親がいま学校で習っているものを少しでも使っているのを見たことがないぞ?


そんな将来使わないようなものに時間を費やすのならば好きなソシャゲをやっていた方がよっぽどいいでは無いのか?


そんなくだらない思考を続けながらも、表向きはしっかりと授業を受けている振りをする。


この授業の先生は番号順に生徒を当てるので、自分の番号周辺でのみしっかりと聞いていれば大丈夫なのだ。


今日の15時から始まるソシャゲのイベントをどうやって攻略しようか、また課金なんてのもありだなーなんて思いながらいると、なんか突然フラッシュバンっていうの?


あんな感じの光の暴流が目の前を襲って来て、俺の意識が朦朧もうろうとしてくる。


意識が完全に無くなる前にふと周りを見渡した。


どうやら周りのヤツらや先生もこの光で気を失っているようだ。


何かやばい事態が起ころうとしているのだとようやく脳が理解する。


ふざけんなよ!


俺が今度のイベントをどれだけ楽しみにしていたと思っていやがる!


発表直後からガチャ石を貯めまくっていたし、昨日の直前メンテもイベントのためと我慢したんだ。負けてたまるかー!!


落ちそうになる意識を根性だけで必死で繋ぎ止める。


もう俺以外のやつはクラス全員意識を失っているようだ。


光との格闘は虚しく、終わりも見えてこない。ついに俺の意識もプッツンと途切れてしまった。


■ ■ ■ ■ ■ ■


【全員の魂魄こんぱくをラスティアへ転送開始します】


【・・・】


【・・・】


【エラー発生】


【1名魂の過負荷による欠損・損失を確認】


【このまま転送することは出来ません】


【魂魄を修復しますか?】


【はい/いいえ】


【はい⬅/いいえ】


【修復しています。しばらくお待ちください】


【修復しています。しばらくお待ちください】


【完全に修復することは出来ませんでした】


【・・・】


【・・・】


【モンスターの魂魄へコンバートします。本当によろしいですか?】


【はい/いいえ】


【はい⬅/いいえ】


【コンバートを開始します】


【・・・】


【完了しました】


【ラスティアに転送を行います。本当によろしいですか?】


【はい/いいえ】


【はい⬅/いいえ】


【転送を開始します。転送には時間がかかります。しばらくお待ちください】


【□□□□□□□□3%】


【■□□□□□□□14%】


転送が開始されるのを確認した何かはそれまで見ていた画面から目を離し、一息ついた。


そして一つだけうまく転送出来なかった魂を不憫に思い一つだけスキルを与えることにした。


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


次々に送り出された魂は様々な妊婦の腹の中へ入り込み、定着する。


しかし一つだけ、明らかに人が住んでいなさそうな遠く離れた離島へと行き着く。


雷が降り暴風が吹き溢れ、その他にも激流が奔る川や、雪崩が散発的に起こる氷山などの地球ではまず見ることは無いような過酷な環境。


それがいくつもあり、なおかつ一つの場所に集約しているというずいぶんと奇妙な島であった。


大きな鳥、恐らく猛禽類であろう鳥に襲われそうなお腹の大きなカエル。


その皮膜は透けていて、いくつもの黒い小さな粒々が見て取れた。


その中の一つに送られてきた魂が入り込んだ。


はっ!俺寝てた!?


くそっ、古典の白鳥先生は居眠りすると漢文をノート10ページ写すとかいう苦行を科せられるのに・・・。


そうしたらイベントできないじゃん!


なんてことを考えていたが、どうやら様子がおかしい。


どうやらここは教室では無いようだ。


そして、ふと周りを見渡すと黒い粒々が大量に浮かんでいるのが見受けられる。


うわぁー!気持ち悪いっ!!気持ち悪いっ!!気持ち悪いーーっ!!なにこれ!?


しばらくそれを見ていると、どうやらそれが自分の知識に照らし合わせるならオタマジャクシであるという結論に至った。


なんでオタマジャクシ?っていうかよく見てみると俺の体もオタマジャクシ?これが転生っていうやつかよ・・・。


何度見直してみても、自分の体はオタマジャクシであるという現実は覆らず、夢と思いたくて頬を抓ろうとするも手足がないことに気づき、余計に現実を突きつけられた。


ふざけんなよ!なんでよりによってオタマジャクシなんだよ。


人間に転生させろよ!オタマジャクシじゃゲームが出来んだろうが!


そしてしばらく考えていた後オタマジャクシの向こう側に景色が見えることに気がついた。


なんだこれ?もしかしてカエル?体が透けてるのか。


あの紫っぽい石はなんだよ。


疑問が押し寄せる中、空から背後に爪を立てようとする大きな鳥が迫ってくるのが見えた。


あんな鳥見たことないけど、とにかくやばい!


カエルが大きな鳥に勝つところなんて想像できないし、どうすればいいんだぁっ!!


と思ったその瞬間、親ガエルは華麗に鳥を躱し、その口からいくつもの弾丸を吐き出した。


その弾丸は何かにぶつかると弾け飛び、その液体に当たった鳥は酷くもがき苦しんでいた。


今吐いたのって卵かよ。


こいつ子供武器にしてんのかよ。


しかもこの卵毒があるのか?こんな生物見たことない。


地球の中でもものすごく魔境か、異世界で・・・。


鳥を仕留め終えたカエルはそのまま丸呑みにする。


そして腹を満たした後、水辺に残った卵を植え付けていくのだった。


危ねー。一応産んではくれるのか。


あのままお腹の中にいたらそのうち俺も武器にされてたのかも。


今世はオタマジャクシからのスタートかよ。


とりあえず全力で生きてみるしかないのか?


ワンチャン夢とかねーかな?死んだら元の教室に戻るみたいな。


・・・なさそーだな。こんだけ質感がリアルな夢なんてそうそうないだろ。


とりあえず覚悟だけは決めとくか。


・・・もうゲームが出来ないなんてーーっ!!(泣)。


■ ■ ■ ■ ■


彼はまだ知らない。


そこは人が住む場所から遠く離れた場所。


島の外には激しい海流が絶えず起こり、五つの厳しい環境が入り乱れる上に、超凶暴なモンスターが絶えず発生する、今まで誰一人として生きて戻ったことの無い島ということを。

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