バナナの日
今日は、「バナナの日」。
夏休みが終わり1週間もするとほぼ当たり前な日常が
戻ってきていた。たまの日曜日ゆっくり朝寝できる事
が小さな喜びだ。勉強や部活に忙しい中高生なら皆同
じなんじゃなかろうか。昼過ぎに起きて居間へ行くと
テーブルの上の書き置きが目に入った
「山登りへ出掛けます。夕飯までには、戻ります」
両親は揃って山登りへ出掛けたらしい。私が小さい頃
は、よく一緒に登ったものだが私が年を重ね年々山へ
の興味が薄れてゆくのを肌で感じた両親は、自然と誘
わなくなっていた
冷蔵庫に入った朝昼兼用のチャーハンをレンジでチン
して黙々と口に運ぶ。さて今日は、何しよう。そんな
事を考えてた矢先玄関のチャイムが鳴った。インター
ホンに出ると宅配便の元気な兄ちゃんの声が返ってき
た。玄関のドアを開けると見てるだけで元気になると
いえば聞こえは良いが、個人的には暑苦しい笑顔な兄
ちゃんが荷物を抱え立っていた。丁寧に荷物を降ろす
と手際良く伝票とペンが差し出される。名前をサイン
を済ませ兄ちゃんへ手渡すと元気一杯なお辞儀をして
ドアを閉め次の宅配先へトラックを走らせて行った
荷物は外箱こそバナナの絵が書かれてたが、貼られた
伝票を確認すると田舎で採れた野菜っぽかった。婆ち
ゃんの笑顔を思い浮かべた。ほんのりと土の匂いが香
る荷物を台所へ運んだ。
つづく
明日は、「親孝行の日」。