橋の日
今日は、「橋の日」。
井戸で聞こえた話声、まつりで見掛けた切り絵師、思えば
不思議な事が重なった日だったなと振り返ったのは、次の
日に目が覚め横になったまま天井を見つめてる時だった
部屋の柱に掛けられた時計の針は、まだ5時前を指してい
たが外は、にわかに明るくなり始め小鳥のさえずりも耳に
入り心地良かった。軽く伸びをして布団を畳み外へ駆け出
した。朝の新鮮な空気を鼻から命一杯吸い込み口から吐き
出す、田舎の空気は、都会と全く違い新鮮たった
空は、澄み渡りトンボが夏の空を横切った。今日も暑くな
る予感をさせる。気温が高くなる前に軽く体操をして身体
をほぐした
蝉が鳴き始め、気温も高くなり出した昼近くに田舎の家を後
にした。結局井戸へは、あれから一度も近寄れなかった。そ
れ程の衝撃を、私に与えていたのだと思う
父の運転で家へ向け車を走らせていた。話題は、田舎生活で
の印象に残った話、あんな事こんな事と話に花が咲いた
クーラーが効いてる筈の車内も窓から差し込む太陽光で、窓
際はジリジリと熱くなり始めている。流れる風景をぼんやり
眺めていた時のこと、前方に見えた光景に思わず目が釘が付
けになった。古びた橋の上にあの切り絵師が立ってるのを見
つけたのだ。しかも目隠しをしたままの姿で。芸の為のパフ
ォーマンスでは無かったのか?と思わせんばかりにしっかり
装着されている。その光景が不気味に見え目立っていた。違
和感と言った方が妥当だろうか。運転していた父も流石にそ
の不気味さが気になり思わず橋より手前の駐車スペースに車
を停めた
「何やってるのかしら?、あの女」母親が呟いた。それは
この車に乗ってる全員が思ってた事。車内は、変な緊張感
が走り沈黙に包まれた。
つづく
本日より昼12時更新となりました。
明日は、「タクシーの日」。
3日目訪問者は、4名でした。