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麻雀千夜一夜〜カンちゃん〜

作者: 山高義浩

その男は

突然私の前に現れた・・・


「打てる?」 


紺の背広を

ビシッと着こなし、


東映のヤクザ映画に

出てきそうな渋さ満点の男。


立ち居振る舞いを見て、

かなりの腕前であろうことは分かる。


マスターのルール説明が終わり、

私の卓へ登場。


まずは

様子見を兼ねて

慎重に打ち回そう・・・


と思った矢先、

男が「リーチ!」

掠れた低音が格好良い。


しかし

初対面の相手とやるときは

何を持ってしても最初が肝心。


ここぞとばかりに

無筋をバンバン切り飛ばす私。


数巡後、私の切った


 チーピンで「ロン!」


掠れた声が格好良い。

                                                                                          

ほぉ~、

成る程、

ストレートにきましたか・・


待ちはペンチーピン。


普通、一見の場合

中々こういう

先制リーチは

出来ないものだが・・


やはり、

只者ではないな。


ところがですね、


その後のリーチのほとんどが

カンチャンかペンチャン・・


ひょっとして

棒テン即リー??


いや、

この風貌からして

相当な打ち手に違いない。


牌裁きも上手だし、

何より格好良い!


だから

絶対何かの策が

あるに違いない!


でも、

異常にカンチャン、

ペンチャンが多いのも事実・・


何だろう?

その疑問が解けたのは数日後。


偶々ラストまで一緒に打って


「一杯行こうよ・・」と誘われ、


チャンス到来!

普段抱いてる

疑問をぶつけよう!


思い切って聞いてみました。


「Sさんはカンチャン・ペンチャン待ちが

多いですけど、何故ですか?」


「あ~、それね、実はね・・・」

相変わらず渋い声だ。


「俺、三人麻雀しかやったことないのよ」


???


「だからねぇ~、

こんがらがっちゃう前に、

あれだよ・・リーチ行っちゃうんだよ」


「上がれるとか

上がれないの

問題じゃなしに、

こんがらがっちゃう前にだよ・・」


解明〜!!!


いいですね~、

こんがらがっちゃう前に


という表現。


素晴らしい!

ファンタスティック!

拍手!パチパチパチ・・・


麻雀はね、

結構自分で自分を

苦しめてるところが

多々ありますよね。


カンチャン、

ペンチャン

引いてきたらどうしよう・・


外した瞬間、

ズバリ引いてきたら

もうパニックと後悔の嵐です。


だから、


こんがらがっちゃう前にですよ。


懐かしき昭和の博徒、

カンちゃん。


万歳!


メデタシ、メデタシw


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