最強少女は歴史を学ぶ
歴史の授業は特に能力に依存しないので、自分が選んだ先生のクラスになる。
と言っても、どんな先生だかはわからないのでほとんどが希望なしで出しており、勝手に割り振られるので1クラス10人が5つピッタリになっている
「ふぅ、間に合った」
アルナが自分のクラスに行くと、同じクラスにエドワードがいるのを見つけた
珍しく取り巻きはいない。
そもそも女子が少ない上に、昨日のヌガーディオの噂が回っているらしく、エドワードにどう接すればいいかわからないみんなは関わるのを躊躇しているらしい。
アルナが入ってきたのを見つけたエドワードは嬉しそうに手を振っている
他に知り合いがいるわけでもないアルナはエドワードの隣に座った
「アルナ同じクラスだったんだね!よろしく」
「まぁ、同じクラスだろうとは若干思ってたわ」
「あ、じゃあアルナもこのクラス希望したんだ?」
「まぁね。1番面白そうだったから」
と、そこへ筋肉隆々な大男...ヌガーディオ・バイバーンが入ってきた
その瞬間、クラスメートの頭には?の文字が浮かんでいた。
たしかにこのクラスの先生欄には「特別講師」と書かれていただけで、誰だとは言っていないが
さすがに学園長自らが教鞭を振るうとは思わなかったのだろう
「このクラスを担当するヌガーディオだ。学園長は基本暇なので無理矢理入れてもらったが、ちゃんと授業はするぞ。」
予想外のことにクラスメートはザワザワしている
「あ、やっぱり学園長だったんだ」
しかしエドワードは心なしか嬉しそうだ
「特別講師だなんて書き方するの、学園長以外にいないと思ったのよね。外部からなら外部講師だもの」
予想が当たったらしいアルナはドヤ顔だ
「じゃあ、早速だが授業始めるぞ。
この国の大まかな歴史は知ってる奴も多いと思うが...じゃあ、エドワード。エメフシロ王国ができたのは何年前だ?」
「約200年前。他国に比べてできたの遅かったから新しい国ですね」
「そうだ。犬族の国であるイージスト王国は約500年前、猫族の国であるネンミクリ王国は約300年前、兎族の国であるウガジリヌ王国は約1000年前に建国された。
と言ってもまぁ、国ができたのがその時ってだけで、それぞれの種族はもっと前からいたけどな」
「あの、犬族とか猫族とか兎族ってどんな種族なんですか?」
ヌガーディオの目の前に座っている生徒が手を上げて質問した
「あぁ、100年前に不干渉条約を締結させてから、他国のことを知らないヤツも増えたからな。
基本的には人族と同じだ。姿は多少違うし話す言語も違うが、同じ動物だからな。
まぁ、どうせ行くこともないだろうしテストにも出さないから覚えなくて大丈夫だ」
「他国へは行けないんですか?」
今度はさっき質問した人の隣に座っている人が質問した
「行けなくはないが、国に許可をもらったりする手続きがめんどくさい上に
他国で何かやらかした場合は戦争のキッカケにならないように、切り捨てられた挙句に殺されるからな。行きたがる人はいないだろう」
「なるほど...」
「話を戻すが、この国の歴史は200年しかない。つまり学ぶことも少ないわけだ。
だから『歴史』とは言っているが、時事とか教養もこの授業でやるから把握しておいてくれ」
「何で歴史以外の座学はないのか不思議だったけど、そういうことね」
アルナは納得したような顔をしている
「じゃあ初回だし、少し早いが終わりにしよう。
次の授業は体術だったか?遅れないようにしろよ」
そう言うとヌガーディオは教室から出て行った
「これから学園長に教えてもらえるのか、楽しみだね」
「あらエドワード、学園長のこと好きなの?」
「面白いからね」
「わからなくもないわ。あっ、そろそろ移動しないと。それじゃ、私Eクラスだから!」
アルナはそう言うと荷物をまとめ始めた
「うん、また後で」
エドワードはクラス移動はないらしく、座ったままアルナに手を振っている
アルナはエドワードとの仲を勘繰られまいと思考錯誤していたはずだが、仲良く話す2人がクラスメートから注目されていることには気づいていなかった
ヌガーディオ、ちょこちょこ出てきますね
この歴史クラスを中心とした活動をする...予定なので、先生も名前がある人にしました
というかアルナ、他国にはどうやって行くんでしょうね〜
まぁとりあえずは国内制覇が先ですけど