最強少女は特性が気になる
「魔術の授業は初回なので、オリエンテーションを行いますね」
先生はそう言うと黒板に文字を書いていく
『温度<液体<気体<固体<治癒<精神<時間』
「魔術は、ランクによって使える魔法が変わります。
つまり、初歩的な魔法の温度系魔法から、Dクラスなので固体系魔法まで使えるようになることが目標になりますね」
「先生!回復魔法は大昔に使える人がいなくなったって聞いたことあるんですけど、Cランクから使えるんですか?」
「いえ、回復魔法は治癒系魔法ではありません。
治癒系魔法は、治癒力を高めて怪我の治りを早めるものですが、回復魔法は魔力で完治させてしまうものです。
そういえば使える人はいなくなったと言われていましたが、都市フタジオラで使える人がいたという話を最近聞きましたね。真偽はわかりませんが...」
「私も聞いたことある気がする〜」
「そういえばフタジオラに住んでる親戚がそんなこと言ってたな。何がすごいのかわからなくてスルーしてたけど」
「そもそもそんな大怪我することってないから実感湧かないよね」
「はいはい、静かに〜。
今後の授業内容の説明しますからね〜」
先生がそう言うと、お喋りをやめてみんな先生の方を向いた
「座学で魔法のイメージをつけてもらったあと、実際に使ってみるという授業構成にします。2日で1つの魔法を学ぶので、8日で一通り教えることになりますね。
その後は個々に合わせて授業を組みますのでまだ決まってません。何か質問はありますか?」
「先生!既に温度系魔法ぐらいなら使えるんですけど、最初の授業は出なくてもいいですか?」
「あ!私も!」
「いえ、ひとえに温度系魔法と言っても効果は上から下まであります。冷たい水を温かくすることができる程度なのか、炎を出すことができるのか。
ちゃんと学ぶことでさらに向上させることもできますので、サボるのはダメです」
「さすがに炎は出せねえ...」
「私は冷たくすることしかできなかった...」
「他に質問はなさそうですね?では少し早いですが授業は終わります。」
授業が終わったあと
やはり気になっていたのか、アルナはナーシャに授業前の話の続きを促した
「さっき隠してないって言ってたけど、やっぱりそれ特性なの?」
周りに聞こえないように、ちゃんと声のトーンは落としてある
「はい、『相手の好みや得意なものが何となーくわかる』っていう特性です」
「何となーく?」
「ハッキリとわかるわけではないんです...しかも相手が隠したりしてると見えないですし、私の精神状態にも依存しますので何の役にも立たなくて...だからまぁ、隠しても仕方ないといいますか」
「へぇ、なるほど。面白いね!」
「そ、そうですか?よく『なんだつまらない』って言われるんですけど...」
「え!すごいよ!特性見つけられるだけですごいと思うよ!!」
「え、あっ...ありがとうございます」
「あ!次の授業始まっちゃう!歴史だったよね!?じゃ、またね!」
そう言うとアルナは急いで自分のクラスへ向かった
普通は特性を隠してるって設定になんか違和感あるんだよなぁ...
歴史的背景とか考えておこう。
そしてナーシャちゃんの特性は今後強化させる予定です(何も考えてないけど)