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最強少女は無意識に世界征服を目論む  作者: りおん
アルナ in アリネシア
5/18

最強少女は測定をする

ヌガーディオがホールから出た後、測定室に向かったアルナは名前が呼ばれるのを待っていた




「次、アルナ・パッカーさん」



「はーい!」




アルナは測定器に向かい、結果が出るまで待った


しかしいつまで経っても終わりの合図がかからないので測定員の方を見ると、何やら首を傾げている




「...あれ?測定器壊れたかな」



何やら不穏な言葉が聞こえてきた



「どうかしました?」



「いやなんか、数値が安定しなくて...GになったりAになったりするのよね」



「あはは、壊れてるんですかね」



アルナの顔は完全に笑えていないが、測定器の様子を見るのに必死な測定員は幸いにもそのことには気づいていない。


アルナは冷や汗を垂らしながら、そのまま測定員から見えない位置に移動し、どこかに向かってボソボソっと何かを言った

すると数値が安定してきたらしく、おっ止まった、と言うと測定員は紙にランクを書き始めた



「ごめんね、出た出た。魔術がD、剣術がE、体術もEね。この後は加護者の確認があるから、あっちの部屋で待機してね」




「はい、了解です!」



渡された紙を見てアルナは胸をなでおろした。


しかし、結果ばかりを気にしていたせいで

一部始終をエドワードが見ていたことに気づいていなかった





------




「加護者の確認をするわね。じゃあ力抜いて」




さっきの測定とは違い、どちらかと言えば占いされているような雰囲気である




「あら、かわいい大きさね。逆に珍しいぐらいよ!」



ここで言う大きさとは、加護者の力の大きさのことである



「あはは、そうですか?」




「小さすぎて種族がわからないわね!でもまぁ、ここまで小さいのだからたぶん虫とかでしょ!」



「結構適当なんですね」



「まぁ、加護者が何であるかは特性の指標ぐらいにしかならないからね

間違っていても、そこまで影響はないわ」



特性というのは、加護者のタイプによって1つだけ開花すると言われている能力。

必ずあるはずなのだが、それが何なのかはノーヒントで自分で探さないといけない。

なので特性が出るだけでも優秀とされているのだ。




「なるほど、そうなんですね。」



「じゃ、今日やることは終わったから帰っていいわよ!」



「はい、ありがとうございました」





無事測定が終わり、明るい気分で帰ろうとすると、出口付近でエドワードが女の子に囲まれていた




「エドワード様!やはりクラスはAクラスですか!?魔術はAクラスだったんです!これからよろしくお願いしますね!!」


「私はCクラスだったのでエドワード様とはクラス違うと思いますけど仲良くしてください!!」


「あ、あの!この後何かご予定あるんですか!?良かったら私と一緒に...」


「あぁ!抜け駆けは良くないわよ!エドワード様!その子より私と!!」





カオスである。


アルナは多少の同情はしたものの、特に関係ないので避けて通ろうとしたが、エドワードと目が合ってしまった



明らかにアルナに助けを求めている。

声をかけてこなかったのはさすが王子だ。そんなことをされたらあらぬ噂を立てられて二度と学園には通えなくなるところだった



しかし、この状況をアルナが救う手段など無いに等しい。

アルナが話しかけに行けば、何を言ったとしてもあらぬ噂が立てられるだろう。


「あっ!」


アルナはエドワードに、『待ってて』と目で訴えると、学園に戻って行った



アルナがいなくなったあと、エドワードを囲む人垣はむしろ増えていた。

するとそこへヌガーディオ学園長が現れた




「おう、お前ら。いい度胸だな?身分差別は補講対象だと教えたはずだが?」




ヌガーディオが話しかけた瞬間、キャイキャイしていた女たちはバッと後ろを振り返った




「身分差別...?差別などしていませんが...」



しかし言われたことの意味はわからないらしく、みんなキョトンとしている




「何を言っている?エドワードを王子として扱い、取り入ろうとしているのだろう?

身分によって扱いに差をつけることが身分差別だ。何か間違っているか?」




女たちはそれを聞くと顔を青くし

「しっ、失礼しました!」

と早口に叫んで蜘蛛の子を散らすように逃げて行った



そしてその場に残ったのはエドワードとヌガーディオの2人だけとなった




「ヌガーディオ学園長、ありがとうございます。助かりました」


ニコニコと人の良さそうな笑みを崩さずお礼を言うエドワード



「なんだ、困ってたのか?喜んでるんだと思ってたんだが」



「喜んでると思ってたのに助けてくれたんですか?」



「助けたつもりなんてないが。むしろ当てつけのつもりだったがな!」



ガハハと豪快に笑うと、そのままヌガーディオは来た道を戻って行った







しばらくすると、アルナが戻ってきた



「あ、エドワード!ヌガーディオ学園長が追っ払ってくれた?」



「やっぱり君が連れてきてくれたんだね」



「連れてきたわけじゃないけど。学園長はたぶん、エドワードを助けようとは思ってなかったと思うわ」



「あぁ、たしかにそう言ってたね。なんて言って連れてきたんだい?」



「『王子が出口で囲まれててすごく邪魔だわ。突き放さないってことは王子も満更でもないのだろうし...身分の高い人に取り入ろうだなんて一種の差別よね!はぁ〜』って愚痴っぽく学園長の近くで言っただけよ。あくまで自主的に動いてもらわないと、どこで噂が回るかわからないもの」



「いやちょっとそれ僕のことバカにしてるよね?満更でもないだろうしっていらなかったよね??」



「いるわよ!学園長は調子に乗った身分の高いイケメンが嫌いなのよ!!」



「え?学園長にそんな認識されてるの?てかその情報どこから手に入れたの?

...まぁ、助けてもらったのは事実だからお礼は言うよ。ありがとう」



「いえいえ、どういたしまして」



とりあえず助け出すことには成功したのでアルナはもう帰っていいのだが

そのまま帰るのにも気が引けたのか、アルナはそのまま話を続けた




「ところで、何で出口にいたの?」



「アルナを待ってたんだよ」



「私?何で?」




「測定のことで聞きたいことあって」



エドワードは人の悪い笑みを浮かべていた

バイバーンってなんかワイバーンみたいだよね。ワイバーン出てこないけど。


エドワード、いつのまにかツッコミタイプの腹黒くんになってました。そんな予定は特になかったんですけど。

アルナに振り回される腹黒王子くん。...悪くない。

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