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最強少女は無意識に世界征服を目論む  作者: りおん
アルナ in アリネシア
18/18

最強少女は武器を探す

学園長室を出て、エドワードと別れたアルナはそのまま学園の外に向かった



「大手の武器屋さんがあるって先生が言ってたわね」




どうやらアルナは武器を調達しに行くらしい



しばらく歩き、先生の言っていた武器屋に到着すると

今日の授業のせいか、学園の生徒と思われる人が多くいた



アルナもその中に紛れ、目当てのものを物色していく



「うーん、悪くはないのだけど...」



様々な武器を見つつ、アルナは困った顔をした


品揃えは豊富だが、良くも悪くもないようなものばかりらしい

急いではいるのだが、中途半端な武器を調達したところで役には立たないだろう



どうしようかとアルナが首をひねっていると、不意にアルナの視界に気になるものが映った



「あれ...?」



アルナの視線の先には、ごく普通の買い物帰りの青年がいる



アルナは急いで店を出ると、さっき見ていた青年の後を追った




しばらく歩き、青年は小さな店の中に入っていく

店の看板には『鍛冶屋 ガムリット本店』と書かれていた



アルナは嬉しそうな顔をし、その店に入っていく




「いらっしゃい」



さっき歩いていた青年が店番をしていた



それを見て、アルナは驚いたような感心したような顔をしつつ話しかけた



「鍛治師なのに店番もやっているの?」



この青年、愛想はないが随分と若い。

鍛治師になるには何十年と鍛錬が必要なのだ、普通なら鍛治師だとは思わないが

アルナは鍛治師だと思っているらしい



「...何で知ってる」



表情の動きは少ないが、驚いているようだ

鍛治師であることを見抜かれたことについてだろう



「何でも何も...むしろあなたが鍛治以外のことをするイメージが湧かないわ」


アルナはまるでこの青年のことを知っているかのような発言だ



「会ったことが?」


この青年もそう感じたらしい



「ないわ。初対面よ」


しかし、初対面だとしたらさっきの発言もよくわからない。人伝てに噂などを聞いたことがあるのだろうか



「...わからん」



青年の言葉は足りてないが、要は鍛治師であることを見抜いた理由がわからないと言っているのだろう



「わからなくていいわ。それより、武器を作って欲しいのだけど」



アルナはそのことについて説明をする気はないらしく、本題に入る



「買った方が早い」



普通ならば、武器は武器屋で買うのがほとんどだろう

わざわざ鍛治師に頼むのは、能力に癖があるかオーダーメイドにこだわる金持ちぐらいだ


アルナは別に癖があるわけでもないし、そこまで金持ちなわけでもない

この青年はそのことがわかっているようだ



「ダメよ、性能があんまり良くないんだもの

悪いわけではないけど、中途半端なのは1番扱いに困るわ」



「...武器を見る目もあるのか」



さっきのアルナの評価は正しかったらしい

それでも、上級者向けの武器は普通なら十分な性能であったはずだ


残念ながらこの場に常識を訴える者はいないが



「それで、武器を作って欲しいのだけど

何なら作れるの?」



「言われれば」



つまりこの青年は言われれば何でも作れるということだろう

武器によって作り方も材料も大幅に変わる。

だから鍛治師と言っても普通は1種類の武器に絞っているのだが、この青年は何でも作れるらしい。規格外だ。



「明後日までだとしたら?」



アルナは少し考えたそぶりを見せ、条件を増やす



「性能による」



当たり前だが、武器は性能によって手間が大幅に変わる

だからもし形だけでいいなら、小一時間で作れるだろう。使い捨てにもならないだろうが。



「もちろん最高性能よ」


当たり前でしょう?とでも言うようにアルナは即答した



「長剣」


ランクによって扱える武器が変わるように、作れる武器もランクによって変わる

つまり長剣が作れるということは、短剣も作れるということだ



「さすがね、ならそれでいいわ。今後必要になると思うし、他のも作ってほしいのだけど」



「何を?」



「短剣、長剣、投擲武器、弓、拳銃、狙撃銃、バズーカ、宝具の全てよ」



「宝具...」



Aランクで扱えるようになるのがバズーカだ。つまり宝具というのはその上ということになる

そもそも宝具については授業で習うこともないし、存在もほとんど認知されていない



「作れない?」


アルナは挑戦的な眼差しをしている。まるで作れることを確信しているかのようだ



「Sランク」



この青年は少なくとも、宝具がSランク相当の武器であることを知っているらしい


と言っても、Sランクの動物なんて普通はありえないものだし、限界値がSランクだったとしても能力値がSランクになることはまずない。なぜなら能力を上げるための時間が動物の寿命では足りないからだ。


だから例え宝具を作れたとしても使えるわけはないし、そもそも宝具の作り方などこの世界に伝わっているかわからない



「私が使えないだろうから作りたくないと?」


どうやらアルナはこの青年が宝具を作れないとは思っていないらしい



「作れたことがない」



心なしか青年は落ち込んでいる

作ろうとしたことがあること自体おかしいのだが、やはりこの場に常識を訴える者はいなかった



「作ろうとしたことはあるのね、なら作れるわ。宝具に関しては急がなくていいわよ

投擲武器まであれば授業には間に合うし」



元は所属不明ロボットの撃退用の武器だが、授業でも使うのでそのまま流用しようということだろう




「そんなに強くて授業?」




青年は心底不思議そうな顔をしている



「強く見えるの?私、限界値でさえEランクなのだけど」



「でも宝具使える」



宝具の製作を頼んだからだろうか

アルナが宝具を使えると思っているようだ



「...そもそも私が使うなんて言ってないのだけど」



確かに、頼んだからと言って本人が使うとは限らない。

まぁ、自分が使うという前提で話を進めてはいたが。



「使えるかぐらいわかる」



しかし、この青年はアルナが宝具を使えることを見抜いているらしい

そんな能力があることは聞いたこともないが、特性か何かなのだろうか

それとも鍛治師としての勘なのか




「...なるほどさすがだわ。

とりあえず、明後日また来るわね。武器の材料とかは全部任せたわ、その方がいい物が出来そうだし。お金は取りに来た時渡すわね」



「わかった」



青年の返事を聞き、店を出ようとしたアルナは思い出したように振り向く



「ところで名前は?」



「テオ」



「テオね、覚えておくわ。私はアルナよ。覚えておかなくてもいいけれど。

とにかく、世界を守るに相応しい武器を期待しておくわね」



「わかった」



テオの返事を聞き、アルナは嬉しそうに笑うと今度こそ店を出て行った




アルナの背を見送ったテオは、気合の入った表情で奥へと姿を消した

テオくんが出てきました

名前はテオ・ガムリットにする予定だったんですけど、平民なので名字ないなって気づいて店の名前にしました。

ナーシャやキーラと違って、もともと出す予定だったので今後も出てきます



あと、文章の書き方が今後変わってくるかもしれないです

もう1つ書いてる作品とこっちとでだいぶ系統とこだわり変えてるので、引っ張られる可能性があります

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