最強少女は呼び出される
体術の授業は身体測定を行い
アルナは平均より少し下ぐらいの結果を出し、キーラは下から2番目ぐらいの結果だった
「魔術以外は苦手なのですわ...」
身体測定の結果を見て、キーラは少し落ち込んでいるようだった
「でも魔術はAクラスなんだから凄いじゃない」
「魔術だけすごくてもエドワード様には相手にしてもらえないのですわ」
更に落ち込むキーラを見て、アルナは困ったような顔をしつつも、気になっていたことを聞いてみることにした
「そんなにエドワードが好きなの?」
エドワードに対する執着ともとれるキーラの言動は
恋心か、王子という地位に目が眩んだ故の行動か。どちらにしてもエドワードを自分のものにしたいという欲望ゆえだろう
アルナの言葉にキーラはキョトンとすると
首を傾げながら答えた
「好き...?そうですわね、好きか嫌いかと言われれば好きですわ。」
しかしキーラの返事はアルナの予想とは少し違うものだった
「え?じゃあ何で...」
「はい!今日は授業終わり!身体測定で疲れただろうけど、明日からはもっとハードになるので帰ったら早めに休むように!
それじゃあまた明日」
アルナの疑問は先生の言葉に遮られ、キーラの耳には届かなかった
「次は剣術の授業なのですわ...憂鬱ですわ...」
さっきので話は終わったと思ったのか
キーラはブツブツ言いながら席を立つと、アルナに「では」と軽く挨拶をして行ってしまった
「...キーラってもしかしてちょっと抜けてるのかな」
何となくキーラのことがわかってきたアルナだった
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剣術の授業は短剣についての解説から始まった
「短剣と言っても明確な定義はなくてな
それぞれの体格や感覚、慣れによって短剣とする範囲も変わってくる
だから自分に合った武器を見つけることが最初の難関だ」
「えぇ、見つけられなさそう...」
不安そうな生徒を見て、先生は少し考えたあと口を開く
「とりあえず武器屋に行ってみるといい。
初心者向けから上級者向けまで揃ってる、この都市で有名な武器屋が学園の近くにあるから。話を聞くだけでもためになる」
「じゃあ今日行ってみようかな」
「私も一緒に行く!」
「実践授業までまだもう少しある。それまでに自分に合う武器を見つけておいてくれ」
その後先生は短剣についての詳しい説明をし、授業は終わった
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そして放課後
エドワードと合流したアルナは、剣術の授業のことを思い出していた
「武器か...」
「ん?」
エドワードはアルナの言葉に首を傾げる
「いえ、何でもないわ。それより早く入りましょう」
アルナが考え事をしている間に学園長室に着いていたらしい。
アルナたち入ると、ヌガーディオはいつになく真剣な表情で2人を迎えた
「あぁ、よくきた。
...その表情を見る限り、呼んだ理由は察していたか」
「まぁ、何となくは。アルナまで呼んだ理由はイマイチわかっていませんが」
エドワードがそう言うと、ヌガーディオはん?と首を傾げた
「何を言っている?むしろエドワードがアルナのオマケだ」
ヌガーディオの言葉に、エドワードとアルナは顔を見合わせた
キーラの人物像がだんだんできあがってきました。ちょっとアホの子です。
あ、そうそう
アルナがエドワードと話す時だけ口調が変わる現象にさっき気づいたんですけど
気を許した相手にはお嬢様口調になります。たぶん。
脳内アルナが勝手に喋ってるので理由とかはちょっとわからないですけど...今後登場人物増えたら考察してみます