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起動


 真っ黒いサンタからのプレゼントを貰い、少年はパタパタと駆け足で階段を上がりベットにダイブ。箱をギュッと抱きしめたかと思うと今度は足をバタバタし満面の笑みで身を悶えさせている。

 

 「やっと殺せる。」

 

 そう呟くと、箱の上のガムテープをバリバリと剥がしクッション材を掻き分け『それ』を手にする。

 黒光りする怪しげな装置は一見するとライダーヘルメットのようにみえるが、被る穴の位置を塞ぐように真っ赤な紙が貼られていた。

 

 

 『ヘッドダイバー説明書』

・本品はデス・スタート・オンラインをプレイするにあたって必要な道具です。無くさないように大切にしましょう。

・使用方法は本品を頭に被り「起動」と唱えることでデス・スタート・オンラインを始めることができます。

・キャラクターはヘッドダイバー1つにつき一体です。よく考えてキャラメイクをしましょう。

・ヘッドダイバーはありとあらゆる衝撃や事故に備え、特別な作りをしています。ヘッドダイバーが壊れることは万に一つもございませんが、本人が壊れてしまう可能性がありますので取り扱いには最新の注意を払ってください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 人生死んだら終わり。時間は有限。それは当たり前なこと。だが己の目的の為ならどんな手段を使ってもいい、そこに常識や道徳なんて存在しないのだから。生き残り、頂点に立つ為には情報・経験・そして執念……この3つが全て!!さぁ、リアル以上の生き地獄を体感してもらおうか。

 

※このゲームはあくまでフィクションです。現実で起こりうる事件や事故について我々は何の関係もなく一切の責任を負いません。全て自己責任のもと自由にプレイしてください。

 

 このゲームには過激な描写やグロテスクな表現、精神的苦痛や肉体的苦痛が脳に伝わり、よりリアルな体験をすることが出来ます。安全性において問題ないことは確認済みですが現実への影響について、我々はなんの関係もなく一切の責任を負いません。全て自己責任のもと自由にプレイしてください。

 

 

 ゲームをさっさとプレイしたい人間なら説明書は軽くしか読まないだろう、いや全く読まない人間もいる。

 多くの人はこれを読んだとしても鼻で笑い躊躇もせずに起動するだろう。常識人なら、説明書を読んだ時点でこのゲームの異常さに気付くだろう。

 

 

 だが、返品不可で10万以上のするゲームを買ったのなら誰しもがプレイするだろう。そこに、想像を絶するナニカがあるなんて思いもせずに。

 

 

 説明書を読み終わった犬夜は少し考える仕草をするとテーブルにあるパソコンを開いた。ネット通販で日用品や食べ物などの買い物を済ませると、ヘッドダイバーを抱え横になる。

 

 

 「全員殺してやる。プレイヤー全員皆殺しだぁ♪」

 

 

 犬夜の目にはもう、何も映らない。純粋な殺意と憎しみが犬夜を支配する。もう、止まることはないのだろう。そして、ヘッドダイバーを装着。

 

 「起動」 

 

 

 未知なる世界……リアルを追求したフルダイブ型ゲームデス・スタート・オンラインに今、一体の化け物が入り込む。

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